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結局Nutanixはどういいの? VMware移行で約3200万円浮かせた物流企業の教訓サイバー攻撃に強い物流企業へ

老朽化したITインフラを刷新し、VMwareからNutanix AHVへの移行で約16万ポンドのコスト削減を実現した企業はNutanixに満足しているという。具体的な理由は。

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VMware | サーバ仮想化


 最新のシステムやソフトウェアを「導入したい」と言えば導入できる企業ばかりではない。場当たり的なセキュリティ対応や、技術インフラへの投資不足と問題が山積みの企業で、インシデントを発生させないよう日々切磋琢磨しているITリーダーもいるはずだ。物流企業Norsk Globalも、かつてはサイバーセキュリティに対しては事後対応型のアプローチを取り、ITインフラ投資も優先度が低かった。

 Norsk Globalの最高技術責任者(CTO)ニック・アンドリュー氏が同社に入社した当時、同社のIT関連資産の管理状態は適切とはいえないものだったという。さらに、サイバーセキュリティに対する事後的な対応姿勢が、物流企業としての業務運営能力に悪影響を及ぼしていた。

Nutanixへの移行でコスト削減以外に得られたメリットは

 アンドリュー氏が引き継いだITインフラは、「なんとか動いている」というレベルだった。一方、顧客需要の増加に対応するためだけでなく、サービスを革新し多角化していくためにも、大胆な変革が必要だったと同氏は述懐する。さらに、レジリエンスを高め、膨らみ続ける運用コストを予算内に抑える方法も見つける必要があった。

 アンドリュー氏は、Norsk Globalで発生したシステム障害に遭遇したことがある。この障害により、同社の顧客が主要な運送会社との荷物予約に使うAPIが使えなくなった。当時の考え方は、「まあ動いているからいいだろう」というレベルだった。しかし、続いてサーバの一部が動かなくなってしまい、予約ができなくなった。

 そこでアンドリュー氏は、ITインフラを土台から立て直すことになった。ITインフラの基盤は導入から8年経過した従来型のVMwareのノード(サーバ)で動いていた。さらに、VMwareのライセンスを追加購入する必要もあった。

 老朽化したハードウェアのリプレースも取り組むべきことの1つだった。しかしアンドリュー氏は、追加予定のVMwareライセンスのコストが「法外に高い」と感じた。そこで、VMwareのライセンスを買い増す代わりに、Nutanixの「Nutanix AHV」を採用する決断を下した。その結果、約15万〜16万ポンドのコスト削減を実現した。

 Nutanix AHVへの移行についてアンドリュー氏は、「シームレスで分かりやすく、問題もほとんど見当たらなかった」と述べる。この導入により、同社のITインフラには強固な基盤が築かれた。「既存のVMware上の仮想マシン(VM)をNutanix環境へ移行する作業が、いかに簡単でスムーズだったか、強調してもし切れない」と同氏は語る。

 Norsk Globalは、英国のHeathrow Airport(ヒースロー空港)にあるデータセンターに3ノード構成の「Nutanix Enterprise Cloud」(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ<HCI>を基盤としたエンタープライズ向けクラウドプラットフォーム)を導入した。その後、13台のレガシーサーバと関連ストレージをリプレースした。最後に、既存の全仮想ワークロードを、VMwareからNutanix AHVへ移行した。さらにNorsk Globalは、事業継続に不可欠なバックアップをMicrosoft Azure Cloudから保存するのをやめ、Nutanix Enterprise Cloudクラスタを利用することにした。

 Norsk Globalはさらに、Nutanix環境にデータ保護とレジリエンスを付与するため、HYCUのバックアップサービスを導入している。アンドリュー氏によると、セキュリティインシデントが発生した際、HYCUのサービスがシステム復旧に大きく貢献したという。「HYCUのメリットは、全てのバックアップを暗号化して保護された状態に保てることだ。もしバックアップをネットワーク上に平文のまま置いていたら、巻き添えを食っていたはずだ」

 アンドリュー氏によると、HYCUのサービスの中には改ざん不可能(イミュータブル)なバックアップを保証しているものがある。そのサービスを利用したことで、データセキュリティはさらに強化されたという。

 Norsk Globalは従来型のアンチウイルス対策から、以下を使ったより高度なセキュリティ対策への移行を進めている。

  • EDR(Endpoint Detection and Response)
  • MDR(Managed Detection and Response)
  • NDR(Network Detection and Response)

 この取り組みにより、ネットワークとITインフラを網羅的に監視し、脅威を検出する体制を構築することができるようになったとアンドリュー氏は説明する。

 「Nutanixのサポートも事業のレジリエンス向上に寄与している」とアンドリュー氏は述べる。あるノードに障害が発生した際、VMの動作は正常な別のノードに自動的に切り替わっただけでなく、Nutanixはその障害がメモリチップの不具合に起因したものであることを特定した。「ワークロードは別のノードへ自動で切り替わり、システムは稼働し続けた。誰もトラブルが起きていたことに気付かなかった」(アンドリュー氏)

 ハードウェアの問題を検知したNutanixは交換用のメモリチップを事前に発注し、翌日配送でシステムに影響なく運用を継続させるように手配した。

 アンドリュー氏は、「Norsk GlobalのITインフラは従来よりも強靭になった」と述べる。続けて、「何か問題が発生しても、取引を継続できる状態まで戻せると自信を持っている」と強調する。

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