脱VMwareでライセンス費用を削減 VMもKubernetesで動かす「KubeVirt」:VMとコンテナの二重管理に終止符
VMware製品のライセンス費用高騰や規約変更、VMとコンテナの二重管理といった負担がIT部門を苦しめている。KubernetesでVMを稼働させる「KubeVirt」は、こうした問題の解決策になり得る。
BroadcomによるVMwareの買収に伴い、ライセンス体系の改定や事実上の大幅な値上げが断行された。この変化は、それまでVMware製品をITインフラの軸としてきた企業に深刻な影響をもたらしている。
アプリケーションのモダナイゼーションが進む中、コンテナ技術と従来の仮想マシン(VM)が混在するシステム構成では、それぞれ個別の管理システムが必要になる。その結果、インフラ担当者の運用負荷が増大し、コンピューティングリソース割り当ての最適化が難しくなる。
こうした課題を根本から解決する仕組みが、コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」でVMを実行・管理できるオープンソースのソフトウェア「KubeVirt」である。
レガシーな仮想化技術から脱却し、クラウドネイティブなシステムを構築するにはどうすればよいのか。KubeVirtがもたらす技術的優位性と活用事例を解説する。
KubeVirtが示す仮想化の選択肢
グローバルカンファレンス「PlatformCon 2025」のセッション「Breaking free from legacy virtualization: Embracing KubeVirt for cloud-native workloads」では、IT自動化技術を手掛けるVeritas Automataの最高イノベーション責任者兼チーフエンジニアであるファブリツィオ・スグラ氏と、プリンシパルエンジニアのヘラルド・ロペス・ファルコン氏が登壇した。両氏はKubeVirtへの移行がいかに企業のインフラ戦略を変革するかを語った。
VMとコンテナの融合が生む運用効率化
従来の仮想化システムでは、VMの管理とKubernetesによるコンテナ管理が分断されていた。スグラ氏は、「従来の仮想化ツールはKubernetesと連携しづらく、業務手順の分断と複雑化を招いている」と指摘する。VM用とコンテナ用で別々のシステムを維持することは、運用上のオーバーヘッド(余分な負荷)を増やし、コンピューティングリソースの非効率な割り当てを引き起こす。
KubeVirtは、KubernetesのAPIを拡張し、VMをコンテナと同等に扱う。開発者や運用担当者は、標準的な管理コマンドを通じて、コンテナだけではなくVMの展開や拡張、ネットワークポリシーの設定を実行可能だ。これまで専用の管理ツールを習得する必要があった業務が単一の仕組みに集約される。これによってインフラエンジニアの学習負荷が軽減されるとともに、継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)のパイプラインにVMを組み込むことも容易になる。
特定ベンダーからの脱却とTCOの劇的な削減
レガシー仮想化における最大の課題はライセンス費用だ。ファルコン氏は、「KubeVirtを採用する最大のメリットは費用を削減できることだ」と強調した。オープンソースであるKubeVirtを採用することで、従来の仮想化ソフトウェアにかかる多額のライセンス費用を削減できる。
複数のクラウドサービスやオンプレミスシステムにまたがる構成における適応力も向上する。特定のクラウドベンダーやオンプレミスのレガシーシステムに拘束されることなく、Kubernetesが稼働するシステムであれば自由にVMを展開できる。これによって、企業はインフラ選択の主導権を取り戻し、ベンダーロックインから解放される。結果として、システム全体の総所有コスト(TCO)の大幅な削減が可能となる。
モノリスからマイクロサービスへの橋渡し
企業が直面する大きな壁の一つが、既存のモノリシック(単一不可分)な大型アプリケーションのモダナイゼーションだ。スグラ氏は金融テクノロジー分野での経験を踏まえ、「巨大なVM内で稼働するモノリシックなアプリケーションを段階的にマイクロサービスに移行するプロセスにおいて、KubeVirtは大きな威力を発揮する」と説明する。
KubeVirtによるマイクロサービスへの移行では、まず既存アプリケーションをVMとしてKubernetesシステム上に配置する。その後、機能を少しずつコンテナに切り出し、同一のネットワーク内でVMとコンテナを通信させながら段階的に移行を進められる。ネットワーク設定やセキュリティ制御の仕組みを刷新することなく、既存資産とモダンなマイクロサービスを安全に共存させることが可能だ。
小売業における具体的な活用例も挙げられた。電子商取引の繁忙期であるブラックフライデーのようにトラフィックが急増する際、KubeVirtを活用することでオンプレミスインフラとクラウドサービスの計算リソースを一元管理し、迅速な拡張を実現できる。これによってシステムの応答性能と信頼性が確保され、顧客体験の向上と運用費用の最適化が両立する。
レガシー仮想化は明確な転換期を迎えている。KubeVirtを導入し、インフラをクラウドネイティブシステムへ進化させることが、今後のビジネス成長を支える強力な足掛かりとなる。
本稿は、Platform Engineeringが2025年6月24日に公開した動画「Breaking free from legacy virtualization: Embracing KubeVirt for cloud-native workloads」を基に作成しました。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。