2015年09月30日 17時00分 公開
カスタムナーチャリング

企業ストレージの課題を解決するクラウドの仕組みとは?堅ろうかつ安価なバックアップ基盤の構築術

企業で生み出されるデータは右肩上がりの増加を続け、ストレージの運用に悩まされるIT担当者は数多い。この課題克服に向けた効果的なアプローチとは。

[TechTargetジャパン]

大容量データの管理に適したオブジェクトストレージ

 ストレージ管理のコストと手間を抜本的に解決する切り札――。それが、安価な料金で利用可能なクラウドストレージの採用だ。中でも、ログファイルやバックアップファイルなど、重要かつ大容量データの保管法を検討しているのなら、オブジェクトストレージがお勧めだ。P(ペタ)バイト級のバックアップデータの外部保管も容易に実現できる。

 こうした中、注目を集めているのが、インターネットイニシアティブ(IIJ)が2015年3月に開始したオブジェクトストレージサービス「IIJ GIOストレージ&アナリシスサービス」(GIOストレージ)である。その特徴に挙げられるのが「堅ろうで拡張性に優れること」「低価格な料金体系」の2つだ。

 GIOストレージは、データの冗長化などを通じ「イレブン9(99.999999999%)」という極めて高い堅ろう性を実現する。加えて、ファイル形式を問わず保存容量を上限なく追加することが可能だ。

photo IIJ 飯田氏

 また、GIOストレージの初期費用は無料で、月額利用料金は従量課金制で1Tバイト当たりの7000円(税別)。1Gバイトで換算するとわずか7円となり低価格で利用できる。追加容量の単位は1Tバイトとなり、毎月の変動量を気にすることなく利用できる点も見逃せない。

 IIJのプラットフォーム本部 プラットフォームサービス2部で分散システム技術課長を務める飯田拓哉氏は「従量制の料金体系は投資の合理化をもたらす反面、中長期的な予算計画を策定する国内企業にとって使い難さとなる場合があります。課金変動幅を1Tバイト単位と大きめに取っているので、従量制ながら将来的な見通しが立てやすくなっています」と説明する。

GIOストレージの主な利用料金
課金対象 料金体系 初期費用 月額費用
ストレージ使用料 従量課金 0円 7000/Tバイト
クラウドストレージからのダウンロード転送量 従量課金 0円 0円(1Gバイト)
1万円/Tバイト(1Gバイト〜1Tバイト)
1万円/Tバイト(1Tバイト以降)

※本サービスの最低利用料金は月額7000円になります

 オブジェクトストレージは、従来の企業ストレージシステムとの親和性の低さが課題とされることもある。IIJではWebブラウザから利用可能なコントロールパネルを用意し、知識が乏しいユーザーでも容易に管理できるよう配慮している。より知識があるユーザーであれば、REST API経由でデータを取り扱うことも可能だ。

 GIOストレージの優位性について、飯田氏は自社による独自開発である点を挙げる。「他のオブジェクトストレージサービスでは、機能アップデートのタイミングなどが、サービスを支える基盤製品のアップデートタイミングに依存しやすくなりがちです。対して、GIOサービスではユーザー企業のニーズに追従しやすく、細かい所に手が届きやすい点も差別化ポイントになっています」(飯田氏)

データをクラウドに自動転送する「NetApp AltaVault」

 GIOストレージは特にバックアップ用途に適している。IIJでは、大容量データのバックアップの手間を軽減するための“策”も用意する。それが、ネットアップとの協業によるクラウド統合ストレージ「NetApp AltaVault」(AltaVault)との連係である。

 AltaVaultは、バックアップ対象データのクラウド環境へのバックアップを自動化する機能を提供する。米NetAppが2014年、米Riverbed Technologyの「SteelStore」製品ラインを買収し名称変更した製品だ。ユーザー企業は、同製品を自社システムに導入することで、IT管理者の介在なく、バックアップデータをGIOストレージに自動転送する仕組みを容易に整備できる。加えて、データ転送時にはインライン方式での重複排除やデータ圧縮、AES(Advanced Encryption Standard)256ビットでの暗号化も実施する。

 また、データ量の削減による効果だけでなくインターネットを経由して安全に伝送する仕組みを取る。そのため、ユーザー企業はより負担の小さい回線種別のサービスを選択できる。さらに、ユーザー企業が暗号鍵を管理することで、暗号鍵があれば新しい機材が到着しても暗号鍵をインポートするだけで、自社データをGIOストレージから復旧して運用を再開できる点も見逃せない。クラウドをはじめとしてどこにでもバックアップデータをリストアする環境を設置でき、災害復旧の考え方を従来よりも柔軟に考えられるといえよう。

photo GIOストレージとAltaVaultの連係イメージ《クリックで拡大》
photo IIJ 南雲氏

 IIJの営業推進部 GIO推進チームでシニアGIOスペシャリストを務める南雲建三氏は、次のように語る。「AltaVaultよってデータが最大30分の1まで圧縮でき、かつ差分データのみの転送により、ストレージ容量を大幅に抑えられます。さらにネットワーク負荷の軽減、短時間でのデータ転送などの効果も見込め、データの暗号化によって万一の際の情報漏えい対策も講じられるためクラウドストレージをより安全に利用することができます」。IIJはAltaVaultの活用により、データの長期保管に役立つストレージサービスを提供している。

 なお、今回の協業に当たり、IIJは国内クラウドプロバイダーとしては初めてネットアップ AltaVaultのCertificationを取得している。

クラウド連係でデータ移動の“壁”も打破

photo ネットアップ 杉本氏

 クラウドストレージの利用が広がるほど、必然的にストレージベンダーの利益が減る可能性が高まる。そのため、ベンダーは総じてクラウド利用に消極的である。対して、ネットアップはそれらの企業とは対照的な位置にいる。ネットアップのシステム技術本部でシニアクラウドアーキテクトを務める杉本直之氏は「その根底には、技術的にストレージのクラウドシフトが不可避だとの判断があります。ならば他社に先行し、いち早くクラウド市場での存在感を示そうというのが当社の基本戦略です」と説明する。

 その先にネットアップが目指すのが、オンプレミスやクラウドを問わない柔軟なデータ移動を可能にする、同社のコンセプトである「Data Fabric」の実現である。「データ移行の問題点を克服すべく、技術開発を通じて主力製品のクラウド対応を推し進めています。既に多様なクラウドとの連携が実現されるなど成果も上がっており、AltaVaultはバックアップを中心とするクラウド移行手段の1つに位置付けられます」(杉本氏)

 一方、GIOストレージはその先進性から、技術力が高い企業ほどメリットを認知してもらいやすく、提案前に採用されることも少なくないという。GIOストレージの提供以前、IIJでは固定料金制のクラウドストレージサービスを提供していた。既存サービスの優位性をさらに高めるべく、提供を開始したのがGIOストレージだ。

 サービス提供の上で、同社が最重視したのが、顧客に対するクラウドストレージ利用の“価値”を提供することにある。「企業がクラウドストレージに求めているのは、極端にいえば『安さ』と『堅ろう性』に集約されます。その要望に応えることが当社の使命だと考えております。結果として見れば、GIOストレージによって新規顧客の開拓や顧客のロイヤリティーも確実に高められています」(南雲氏)

 今後、IIJではグローバルに展開するバックボーン回線へのデータセンター間の接続を通じ、データの分散配置に取り組む考えだ。各国に配置したデータセンター間での遠隔レプリケーションによって、ストレージの可用性をさらに高めることが可能となる。「当社はネットワーク運用の経験とノウハウを膨大に蓄積しています。それを有効活用することが、他事業者との抜本的な差別化だといえます」(飯田氏)

 先進的なオブジェクトストレージにより顧客の声に応え、新市場の開拓につなげるIIJ。その取り組みを支えるネットアップ。両社の協業によって、ユーザー企業のクラウドストレージの利用メリットはより高まることになるだろう。


提供:ネットアップ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTargetジャパン編集部

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