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マッシュアップ開発の複雑性Column

「マッシュアップ」はWebサービスをさらに高機能にする新たな可能性として脚光を浴び始めている。だがこの手法は、技術面や法律面での新たな問題をサービス分野に持ち込むものでもある。

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 Webサービスがアプリケーション機能を公開するためのメカニズムとして人気が高まるのに伴い、そういったサービスをさらに高度なアプリケーション・ビヘイビアと組み合わせることで実現される新たな可能性が脚光を浴びるようになってきた。この手法は、「マッシュアップ」という名前が与えられるまでに一般化した。しかし同手法は、技術面や法律面における一連の新たな問題をサービス分野に持ち込むものである。ここでは、これらの問題について論じる。

 今日の開発コミュニティーにおいてマッシュアップと呼ばれている手法の斬新性は、各種のWebソースを1つのシームレスなインタフェースに統合することによって実現できるデータの視野の拡大にあるといえる。アプリケーションのビジネス価値は、データを組み合わせてさまざまな視野を実現することによって得られるが、Webサービスが登場するまでは、このプロセスは膨大なリソースを必要としたり、誤ったデータが混入するといった問題を抱えていた。

 ネットワークが広く普及する前は、多数のデータソースを利用してアプリケーションを構築できるのは一部の企業に限られていた。このプロセスを実現するには、そういった情報のオンデマンドアーカイブを保有していることが条件だったからである。ネットワークが一般化するのに伴い、スクリーンスクレイピングやWebクローリングといった、ネットワーク上に存在するデータにアクセスするための手法が次々と登場した。その中には、今日でも多くのアプリケーション開発者が有効に活用している手法もある。

 こういった手法は現在でも用いられているものの、その多くはデータの精度の面で問題がある。その理由は単純だ。これらの手法が、HTMLやASCII端末用フォーマットなど、元来は人間が理解するためのフォーマットからデータを抽出することを目的としているからである。一方、Webサービスは、機械が理解可能なアプリケーション、すなわち、XMLのような、言語非依存型フォーマットでデータを公開するアプリケーションとしてデザインされており、マッシュアップと呼ばれる手法を通じて異なるデータソースを高度なアプリケーションに統合する可能性が、Webサービス繁栄のための土壌を醸成した。

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