仮想化環境向けストレージ構成のチェックポイント:ボトルネックに対処するための選択肢は?
仮想化ホストサーバ用のストレージ構成を設計するに当たっては、サポートしなければならない実際のディスクアクセス特性を把握する必要がある。
多くの人がアパートの1室で共同生活している状態を想像していただきたい。しかも全員、その部屋の所有者は自分だと考えているのだ。こういったルームメートと同様、時としてOSやアプリケーションも互いに対する思いやりに欠けることがある。例えば、これらのソフトウェアは、物理マシン上で動作しているときにはハードウェアリソースを独占するように設計されている。ここに「仮想化」という要素を追加したとたん、多くの利己主義者が同じリソースを求めて競い合うという状況になる。彼らとリソースの間にあるのが仮想化レイヤである。これは、すべての住人を満足させつつ利益を生み出すアパートの管理人のような役割を果たす。仮想化ホストサーバ上のディスクI/Oの場合も同じだ。本稿では、この共通のボトルネックに対処するための選択肢について検討する。
仮想化I/Oの要件を理解する
最も重要なポイントの1つは、すべてのディスクI/Oが同じとは限らないということだ。仮想化ホストサーバ用のストレージ構成を設計するに当たっては、サポートしなければならない実際のディスクアクセス特性を把握する必要がある。以下の点に留意すること。
- 読み出し動作と書き込み動作の比率
- シーケンシャル読み出し/書き込みとランダム読み出し/書き込みの頻度
- I/Oトランザクションの平均サイズ
- 時間的なディスク利用状況の変化
- 遅延制約
- ストレージスペースの要件(バックアップやメンテナンス作業用のスペースを含む)
物理サーバに関するこれらの情報を簡単に収集できる場合もある。例えば、Windowsプラットフォームでは「Performance Monitor」を使ってデータを収集し、後で分析するためにそれをバイナリファイルやデータベースに保存することができる。VM(仮想マシン)を利用するに当たっては、I/O要件を測定し、それらを組み合わせることによってディスクパフォーマンスの目標を設定する必要がある。本稿では、コスト、管理、拡張性の各要件に基づき、仮想ハードディスクファイルを保存する方式の選択に焦点を絞る。
ローカル・ダイレクトアタッチドストレージ
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