日立製作所(以下、日立)は11月25日、アプリケーションの開発環境や運用システムの実稼働環境などのIT基盤をネットワーク経由で提供する、PaaS(Platform as a Service)型サービス「SecureOnline統制IT基盤提供サービス」をメニュー化し、11月28日から提供開始すると発表した。
このサービスは、日立ソフトウェアエンジニアリング(以下、日立ソフト)が2007年1月から提供している「SecureOnline統制IT基盤提供サービス」を活用し、日立製のサーバやストレージなどのハードウェアに加え、Windows ServerやLinuxなどのOSと付帯する運用サービスを組み合せたソリューションとして、新たに日立から提供される。価格は対象システムによって異なる。
■SecureOnline統制IT基盤提供サービス
主な提供サービス名 | 概要 |
---|---|
仮想マシン提供サービス | ユーザー専用の仮想マシンを提供する 必要なサーバやクライアントのマシンスペック(メモリ・ディスクなど)を選択できる |
仮想ファイル共有サービス | 別のネットワークを持つ複数拠点から共有できる仮想ファイルサーバを提供する 各拠点と仮想ファイルサーバ間はそれぞれVPN(Virtual Private Network)で接続する |
クライアント集約サービス | 仮想クライアントにWindows、Microsoft Officeをインストールして提供する 各PCでUSBキーからブートすることで、ユーザーの仮想クライアントへの接続を可能にする |
ネットワーク接続サービス | 仮想マシンをネットワーク接続するためのサービス ユーザー内LANへの参加やインターネット接続などの環境を提供する |
OS提供サービス | 仮想マシン上で利用するOSを提供する Windows ServerとRed Hat Linuxなどが用意されている |
バックアップサービス | 仮想マシンの環境をそのままバックアップできる |
問合せサポート | SecureOnlineサービスに関する問合せに対応する(インシデント制) |
このサービスは1カ月単位で利用でき、IT基盤の購入による予算確保や構築作業などの初期コストを削減して、短期間での導入が可能。また、IT基盤の資産管理や減価償却、廃棄などの運用コストも軽減する。さらに、開発スケジュールの短縮や開発プロセスの統制などにも効果があるという。
また提供されるIT基盤は、情報セキュリティマネジメントの標準規格であるISMSに準拠したデータセンターで運用されるため、ユーザーデータの保全やセキュリティ対策といった運用統制を実現する。さらに、開発協力会社とのプロジェクトなどで各拠点から接続利用するような場合でも、システムへのアクセス権管理により高度なセキュリティ環境を実現できる。
日立と日立ソフトは今後、日立独自のサーバ仮想化機構「Virtage」やストレージソリューション「Hitachi Storage Solutions」における仮想化機能などを、日立製のハードウェアやソフトウェアに対して順次適用する予定。開発環境やさまざまな運用システムの稼働環境にも柔軟に適用できる環境を提供することで、ホスティングサービス事業の拡大を図るとしている。
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