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ユニファイドコミュニケーションとは何か? そのメリットとは?あなたの会社にも導入すべきか?

本稿ではUCのメリット、業界状況、導入方法などに関する基本的な疑問に答えるので、UC戦略決定の参考にしていただきたい。

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 ユニファイドコミュニケーション(UC)は、音声、ビデオ、文字をベースとしたメディアによる複数のコミュニケーション形態を統合する技術だ。しかしSMBの場合もUC戦略を検討すべきなのだろうか。本稿では、UCに関する幾つかの基本的な疑問に答えるので、あなたの会社のUC戦略を決定する際の参考にしていただきたい。

UCとは何か?

 UCに対しては、さまざまな定義が可能だ。最も高いレベルでは、音声、ビデオ、文字をベースとしたメディアを含むほとんどあらゆる形態のコミュニケーションを包含する。これはユニファイドメッセージング機能とも呼ばれ、ユーザーが1つのデバイスまたはメールボックスから音声や電子メールなどのメディアにアクセスすることを可能にする。

 UCの配備を専門に手掛けるコンサルティング会社、CommuniTech Servicesのニール・シャクトCEOは「最も基本的なレベルでいえば、UCとは、人々がさまざまなタイプのメッセージを送信できること、そしてさまざまな手段によってほぼリアルタイムでこれらのメッセージに応答できることを意味する」と話す。

UCのメリットとは?

 アナリストや各種の調査データは、UCの最大のメリットとして、意思決定の迅速化と従業員のコミュニケーションの効率化を挙げている。Forrester Researchのエリザベス・ヘレル副社長は、UCのビジネス価値について「迅速な問題解決、そして競合他社よりも遠くに、そして速く移動できること」だと説明している。Nemertes Research Groupの主席UCアナリスト、アーウィン・ラザー氏は「最新のUCアプリケーションを個別ビジネスプロセスと連係することにより、意思決定のスピードアップを図ることが重要だ」とアドバイスしている。

 Gartnerが従業員400人以上のSMB300社を対象として2008年4月に実施した調査によると、最も多くの企業がUCのメリットとして挙げたのは、分散した従業員同士のコミュニケーションの効率化だ。企業の回答は以下の通り。

  • 社内コミュニケーションの速度改善(回答企業の44%)
  • 分散した職場間、あるいはリモートワーカーやモバイルワーカーとのコミュニケーションの改善(39%)
  • コラボレーションの改善(29%)
  • 競争力の強化(26%)

UCの普及状況

 Forrester Researchが2008年6月に公表した報告書によると、184社の回答企業の11%がUC戦略を導入済みだった。現在導入中と答えたのは16%で、UCの実証試験中あるいは評価段階という回答は57%だった。

 Gartnerの調査では、300社のSMBの28%が、電子メール、ボイスメール、インスタントメッセージング(IM)、スケジュール管理機能を連係していると答えた。

UC業界の状況

 UC分野のベンダーは、大きく分けて3つのカテゴリーに分類される。ネットワーキング、テレフォニー、アプリケーション(CRMソフトウェアなど)だ。主要なベンダーとしてはAvaya、Nortel Networks、Cisco SystemsMicrosoftなどがあり、統合ユニファイドメッセージング、カンファレンシング、IPテレフォニー、IM製品などを提供している。

どこから始めるか?

 多くの企業がUCで最初に着手するのがユニファイドメッセージングだが、ヘレル氏およびGartnerの上級アナリストのバーン・エリオット副社長によると、IMや「プレゼンス分野」もますます重要になるという。IMは、プレゼンス機能を提供するUCツールの中では最も基本的なツールだ。「IMはリアルタイム性と持続性という要素を備えている」とエリオット氏は語る。IMにインテリジェンス機能を組み込み、それをデスクトップコール管理(テレフォニーとコンピュータ技術の連係)と連係すれば、従業員の居場所を特定して連絡を取るのが非常に容易になるという。

プロジェクトを立ち上げるには

 まず、さまざまな部門(通信、運用、IT、ビジネス部門など)のメンバーからなるプロジェクトチームを結成する。次に、UCの定義に関して合意を取り付ける。「このチームは、共通の言葉と共通の図を使ってUCプロジェクトの目標について話し合う必要がある」とエリオット氏は話す。

 「そこでは、CIOの指示が非常に重要となる」と同氏は付け加える。「チームが真に連携し、一部のメンバーが特定のベンダーやメッセージング製品を選んだりすることのないようにするのがCIOの役割だ」

 目標を設定し、UCプランを策定したら、自社のロードマップと選定候補ベンダーのロードマップを比較する。

 「複数のベンダーのロードマップがどこで合致するのかを確認する必要もある。複数のベンダーを選定することもあるからだ」とエリオット氏はアドバイスする。ベスト・オブ・ブリードにこだわる必要もないという。どのベンダーの製品も機能的に大きな違いがないからだ。「複数のベンダーを選んだ場合、各社の製品同士がきちんと連係するのを確認することも重要だ」(同氏)

 連係にまつわる問題は珍しくはない。Gartnerの調査では、300社の回答企業の38%がUCアプリケーションと既存機器との連係に関する問題を報告している。また、UCの配備に関して「技術的問題」があったと答えたのは43%だった。

UCの次は何か?

 デスクトップコール管理は、従業員の居場所を特定して連絡を取るための高度な機能だ。エリオット氏によると、この機能は現在、主としてコールセンターで利用されているが、今後、大幅に拡張される見込みだという。将来バージョンでは、IPアドレスを追跡したり、ユーザーが自宅のコンピュータを使っている場合には自宅に電話したりするといったことも可能になるだろう。同氏によると、3年後にはこういった製品が登場する見込みだ。

 エリオット氏によると、このプレゼンス技術にはコンテキスト(状況対応)機能も組み込まれるようになるという。「コンテキストプレゼンス」(ビジネスアプリケーションに連係したコミュニケーション機能)も今後、新たな分野として登場する見込みだ。特定分野の専門家に直感的にアクセスできるようになれば、人材管理コストを削減できるほか、見込み客に関する知識が豊富になることで販売拡大にもつながる。「例えば、大企業の福利厚生部門にコンテキストプレゼンス機能を導入すれば、問い合わせの電話を適切な福利厚生担当者に割り振ることができる。着信電話番号を登録し、それを自動的にその従業員の勤務記録、あるいはその記録の中の特定のデータとリンクすることも可能になるだろう」とエリオット氏は話す。

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