富士通が“どこでもイントラネット”を可能にするモバイルアクセスサービス:NEWS
富士通は企業向けネットワーク回線サービス「FENICS II」の新サービスを発表。携帯電話などからのリモート接続において、ID管理やアクセス制御、画面変換の機能を提供する。
富士通は4月20日、ユニバーサルネットワークアクセスサービス「FENICS II ユニバーサルコネクト」を発表、販売を開始した。ユーザーは端末認証などを用いてノートPC・携帯端末からセキュアに社内システムへリモートアクセスできるようになる。同社の企業向けネットワークサービスFENICS IIの1サービスとして提供されるもので、自社構築に比べて導入・運用コストを大きく抑えられるという。
ユニバーサルコネクトで提供するサービスは(1)アクセス管理(基本サービス)、(2)モバイルアクセス、(3)モバイルコンテンツ変換の3種類。
(1)はアクセス時に利用するユーザーIDとアクセス権限をコントロールするID管理サービスで、従業員番号などユーザーが使いやすい管理体系を適用できるのが特徴。(2)では、ノートPC、携帯電話、スマートフォンから、既存の回線を用いてセキュリティを担保しながらリモートアクセスを可能にする。PC向けにはSSL VPNなどの暗号化を行うほか、ユーザーと端末(機体番号)とを組み合わせた複合認証によりセキュリティの強度を高めた。また(3)は、ユーザーの業務システムを携帯ブラウザ用にコンテンツ変換する仕組みを提供し、将来的には複数のSaaS(Software as a Service)アプリケーションへのシングルサインオン(SSO)を実現するID変換ポータル構築も行う。これらを6月下旬から10月中旬にかけて順次提供する。
同社は、アクセス端末や回線インフラを問わず、あたかも自席にいるような感覚で社内システムにアクセス可能な「どこでもイントラネット」の基盤構築を目指し、モバイルWiMAX、次世代PHSにも対応する予定だという。シスコシステムズとの提携によるユニファイドコミュニケーションシステムとのソリューション連携も視野に入れており、「中小企業にもリーチできるようなサービスも提供したい」(ネットワークサービス事業本部本部長代理の香川進吾氏)としている。
サービス料金は個別見積もり。携帯電話500台からのリモートアクセスとモバイルコンテンツ変換サービスを利用する場合、1ID当たり月額4000円からとなる。同社の試算によると、自社構築に比べ初期コストを25%、運用コストを月40%程度抑えられるという(100ID利用時)。ネットワークサービス全体の売り上げ目標として、現在の年間900億円を今後2年間で2000億円規模にまで拡大することを掲げている。
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