日立、SOA基盤製品の機能強化で仮想サーバの構築時間を10分の1に:NEWS
日立製作所は、統合システム構築基盤「Cosminexus V8」に新機能を追加。仮想化対応の強化、システム開発生産性の向上を図り、迅速なシステム構築が可能になるという。
日立製作所は1月27日、統合システム構築基盤「Cosminexus V8」を機能強化し、販売を開始した。主に仮想化対応やシステム開発生産性の面で強化している。
Cosminexus V8は、クラウドソリューション「Harmonious Cloud」におけるシステム基盤を担う、Webアプリケーションサーバを中核とするSOA(サービス指向アーキテクチャ)ベースのシステム構築・運用基盤。業務アプリケーションを構築する「アプリケーション基盤」、複数のサービスをビジネスプロセスで統合する「プロセス統合基盤」、操作をナビゲートする「フロント統合基盤」、データを収集・統合・供給する「情報統合基盤」の4つの基盤(製品群)で構成される。
今回のCosminexus V8の機能強化では、仮想化対応の強化およびシステム開発の生産性向上を図った。まず、仮想化対応の強化では、仮想サーバを業務アプリケーション単位で一括構築し、各仮想サーバのIPアドレスや負荷分散といった各種環境パラメータの設定を自動化する機能を、アプリケーションサーバ製品「uCosminexus Application Server」に追加した。これにより、システム構築の際、業務アプリケーションが複数の仮想サーバ上に配置・実行されても、仮想サーバ1台ごとに環境設定をする必要がなくなり、手間やミスを省ける。同社によると、環境設定時間は従来比で最大10分の1に短縮するという。
また、uCosminexus Application Serverの物理サーバ/仮想サーバ/業務アプリの対応構成を可視化することで、運用操作対象となる業務アプリケーションを指定するだけでアプリケーションの起動・停止などの操作が可能になった。この結果、運用操作時間が従来の最大3分の1に短縮するという。
次に、システム開発生産性の向上では、プロセス統合基盤のSOA実行基盤製品「uCosminexus Service Platform」にサービスバスを用いることで、既存システムと新システム間接続が迅速化した。さらに大量データを迅速にバッチ処理するために、uCosminexus Service Platformでは大量のメッセージ処理が可能なサービスバスや各種アダプター・BPEL(Business Process Execution Language)を利用。数Gバイト規模の大量メッセージの振り分けや変換を一括処理する入出力プログラムの作成、制御ロジック部分の開発量の削減を可能にした。
このほか、大量のリアルタイムデータをモニタリング・分析処理する「uCosminexus Stream Data Platform」の機能を強化し、Webと電話を連携させたNGN(次世代ネットワーク)対応のサービス構築支援アダプター「uCosminexus NGN Application Adapter」を新たにラインアップに加えた。各製品の価格および出荷時期は以下のとおり。
製品名 | 概要 | 価格 | 出荷時期 |
---|---|---|---|
uCosminexus Application Server | 仮想環境における構築・運用を強化するアプリケーションサーバ製品 | 126万円(税別)から | 2月25日 |
uCosminexus Service Platform | ビジネスプロセス管理と柔軟なサービス連携機能を備えたSOA実行基盤製品 | 441万円(税別)から | 3月26日 |
uCosminexus Stream Data Platform | 大量データをリアルタイムに集計・分析する基盤製品 | 210万円(税別)から | 2月26日 |
uCosminexus NGN Application Adapter | NGNを利用したWeb/テレコム連携のためのアダプター新製品 | 210万円(税別)から | 3月1日 |
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