日本HP、ミッションクリティカルクラウドの基盤となるストレージ新製品:NEWS
日本HPがミッションクリティカル環境向けストレージの新製品群を発表。アプリケーションの重要度に応じた処理の優先付けや自動階層化機能によって、システム運用の効率化を実現する。
日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は9月28日、ミッションクリティカル環境向けストレージの新製品群「HP StorageWorks P9000ファミリ」を発表。その第1弾製品として、「HP StorageWorks P9500ディスクアレイ」(以下、P9500ディスクアレイ)の販売を開始した。
P9500ディスクアレイは業界標準の19インチラック、2.5型HDD/SSDを採用したディスクアレイシステム。最大6ラックの構成が可能で最大搭載ドライブ数は2048基、仮想容量は255Pバイト(外部ストレージ接続)まで拡張できる。同社によると、従来のハイエンド向けストレージ製品「XP2400」と比較して、1000基搭載時の設置スペース比で34%減、1コントローラーモジュール最大構成時の消費電力比では40%減を実現するという。
また、P9500ディスクアレイは、アプリケーション性能を制御するQoS機能を提供するソフトウェア「HP StorageWorks APEX」(以下、APEX)を搭載している。APEXは、アプリケーションやホストごとに設定されたSLAに応じたI/Oの優先タグを付与し、P9500ディスクアレイはその優先順位に合わせて動的に性能リソースを割り当てる。これにより、重要なアプリケーションのサービスレベルを確保しながら、ディスクアレイ全体のリソース使用率を向上させることが可能となり、システム全体を最適化できるという。
さらにP9500ディスクアレイではデータ自動階層化管理ソフトウェア「HP StorageWorks APEX Smart Tiers」によって、高速ドライブと低コストドライブを組み合わせたデータの階層化管理を自動化できる。この機能ではI/0頻度に応じて、Tier0〜2の3階層にデータをセクション単位で振り分けて管理する。
P9500ディスクアレイでは従来製品から供えられていた仮想容量を管理する「Thin Provisioning」機能が拡張され、データが削除された物理ディスク領域を解放してプールを再度割り当てたり、既存データを追加ディスクに自動的に平準化することなども可能になった。そのほか、GUIを改良してより直感的な操作を可能にし、コマンド入力作業を簡素化するなど運用管理作業を簡素化する工夫が施されている。P9500ディスクアレイの販売価格は最小構成で3280万2000円(税込み)。
同社の執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 杉原博茂氏は、HP StorageWorks P9000ファミリを従来のハイエンドストレージ製品群「HP StorageWorks XPファミリ」の後継機種として位置付け、「2010年4月に発表したハイエンド向けサーバ「第2世代 HP Integrityサーバ」と共に、日本HPが提唱するミッションクリティカルクラウド基盤『HP Converged Infrastructure』のプラットフォームとして訴求していく」と語った。
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