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オープンソース──懐疑的に見るのはもうやめようオープンソースのビジネスメリットとは

オープンソースの導入をめぐっては、長年にわたって不安や懸念が広がっていたが、銀行や政府機関が採用していることから分かるように、そうした問題は急速になくなりつつある。

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 わたしは先日、あるセミナーに参加し、そこで聞いたオープンソースベースのソフトウェアと関連サービスの導入に関する情報に誤りが多くて驚いた。特に「導入の理由」「戦略」「選択肢」「ビジネスメリット」に関する情報の誤りが目立った。

 どうしてかはよく分からない。オープンソースはその本質からして、また、開発者を中心とした活動に支えられていることから、非常に動きが早い分野だからかもしれない。あるいはまた、オープンソースコミュニティーや、エンタープライズオープンソースプロバイダー(わたしが経営する英LinuxITもその中に含まれる)の人々が、オープンソースによってIT環境の管理とパフォーマンスを変えられることが理解されるように、もっと強く取り組まなければならないだけのことかもしれない。オープンソースは、ITのイノベーション、相互運用性、ROI(投資収益率)などに貢献できるのだ。

 もちろん、オープンソースの導入をめぐっては、長年にわたって不安や懸念、疑念が広がっていた(これらは、例えば、「サポートが欠如している」「セキュリティが弱い」「ユーザーが法的責任を問われる可能性がある」といった認識からきている)。しかし、こうした問題は急速になくなりつつある。このことは、金融や通信、小売りといった業種の企業および政府機関が、コミュニティーベースやエンタープライズ系のオープンソースプラットフォームをミッションクリティカルシステムの主要要素として採用していることから分かる。

 だが、オープンソースへの懐疑的な見方がまだ一部にあるのは、理由が何であれ、残念なことだ。ITプロフェッショナルは、より多くの機能やアプリケーションを、多くの場合、これまでと同じか、より少ないコストで提供するよう求められているが、大抵はオープンソースを利用することでこの厄介な要求に応えられる。

 ほとんどのIT環境でオープンソース由来のコードが使われているのは確かだ。それでも、多くの組織やITプロフェッショナルが、進取の意欲に欠ける受け身の姿勢や、さらにはおざなりな姿勢から、オープンソースを活用しておらず、その実証されたユニークなメリットを享受していない。

 企業においてITがもはや二次的なものではないのは周知の事実だ。今では、ITは企業の成功や利益を大きく左右する。しかし、わたしの経験では、ITマネジャーは相変わらず、おなじみの問題に直面している。プロジェクトのバックログ、不十分な予算、計画立案時間の不足、非現実的な、あるいは漠然とした不明確な期待といった問題だ。オープンソースは、ITを取り巻くこうした問題への対処に威力を発揮し、ITマネジャーがより少ないリソースでより多くの成果を上げることを可能にする。

オープンソースのビジネスメリット

 オープンソースがもたらす自由や選択肢、力はさておいて、オープンソースのビジネスメリットは、以下の5つのカテゴリーに分類される。

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