「統合計画業務」をカスタムメードな低価格パッケージで:NEWS
「統合計画管理」をキーワードにGLOVIA smartシリーズに計画管理パッケージが加わった。業種・業態別のパッケージで、生産計画・販売計画・在庫計画を統合管理する。
2011年5月17日、富士通マーケティングは「GLOVIA smart 製造 PROFOURS(プロフォース)」の販売を開始した。
既存のGLOVIA smartシリーズとしては製造実行管理「GLOVIA smart 製造 MES」、生産管理「GLOVIA smart 製造 PRONES」などがある。今回のGLOVIA smart 製造 PROFOURSは「統合計画管理」を実現するソリューションとして提供される。今回発表された「エントリ版」「スタンダード版」に加え、より高度な計画業務もカバーする「アドバンスト版」も2011年秋ごろにもリリース予定。
エントリ版はスタンドアロンでデータベースやサーバシステムなしで動作するもの。1ユーザーライセンスに限定されるが、単純な工程計画であれば十分に機能する。価格は40万円。スタンダード版はこれに加え、制約条件をベースにした自動計画立案機能や、クライアント/サーバ形式による複数ユーザー操作が可能。価格は150万円から。両版とも、即日提供可能。アドバンスト版は、スタンダード版に加えて、需給計画調整や所要量計算にも対応する。価格は400万円からを予定している。
同社があえて「統合計画管理」を同製品のキーワードとしているのは、従来の計画系システムと異なり、販売計画・製造計画・調達計画などを集約して管理できる同製品の仕組みを強調する意図が込められているからだ。
「既存の計画業務では、生産計画、販売計画、購買計画がばらばらの状態で、収益の視点からすると効果が出ていない状況を抱えている企業は少なくない」(富士通マーケティング ソリューション事業本部 GLOVIA統括部長 大澤尚氏)
パッケージシステムの提供だけではなく、意思決定プロセスやワークフローそのものも統合すべく、同社では業務プロセスの定義もこれに併せて「計画管理業務」領域を定義、全体を管理する統合マネジメント層の下部に各計画系を配置している。
富士通中部システムズ ソリューション事業本部長 冨浦雅裕氏は、「計画系システムの提供は1992年ごろから自社ブランドで提供してきており、同製品の開発元である富士通中部システムズは、20年以上前から中部地方だけでなく日本全国の企業にスケジューラを提供してきた。既に200社、1000サイト以上の利用実績がある」とし、各業種の商流や業務プロセスの違いを熟知している点を強調する。
富士通中部システムズ ソリューション事業本部長 冨浦雅裕氏
「まずはセミナーなどを通じて国内メーカー各社に紹介していく。海外拠点を考慮した言語対応は2011年秋ごろに提供できる予定(英語・中国語)」だという
製造各社を見ていく中で課題となったのは、従来の計画業務が近年の傾向と乖離(かいり)し、効果的な計画実現が難しい状況だ。
「近年の多品種小ロット生産、短納期化の流れを受け、まず、鉄・化学系製造業やPCBメーカーが各種計画系の見直しを始めつつある。大手企業であっても計画系はいまだに人力に頼っている例が少なくない。また、画一的にパッケージを導入したものの業務に合致しないなどの理由で使い切れていないケースも多い」(冨浦氏)
従来の計画系ツールで対応が難しかった部門の壁を越えた情報共有と、それを管理するための業務プロセスを盛り込んでいるのが本製品の特徴の1つだ。
製品では近年の企業動向にあわせ、部材の購買は一括で、製造計画や販売計画は部門ごとで行うといった、マルチカンパニー的な運用にも対応するものになっている。
冨浦氏のコメントを受けて、製品デモを行った富士通中部システムズ ソリューション事業部 第二ERPソリューション部 プロジェクト課長 伊藤博隆氏は、同製品の強みは、パッケージ製品のスピード感と同時に、手組みシステムでないと実現が難しい業態別の機能提供にあると語った。
「パッケージだからといって画一的な商品というわけではなく、詳細な業務・業態向け機能を標準で搭載している点が大きな強み。現段階で100程度の業界特化機能が実装されており、今後も追加していく予定」(伊藤氏)
インタフェースも工夫されており、タッチパネルなど、マウスやキーボード以外からの入力操作も考慮したものとなっている。
工程管理画面の例
Windows 7に即したリボンUIやRIAによる機能も盛り込まれている。またタッチパネルからの操作にも対応できるよう、マウスクリック以外の操作でも機能を呼び出せる表示となっている。写真は日程を選択すると、あらかじめ登録された機能を呼び出すアイコンが表示されている様子。デモを担当した富士通中部システムズ ソリューション事業部 第二ERPソリューション部 プロジェクト課長 伊藤博隆氏によると、「販売担当に見せるべき情報、製造担当に見せるべき情報を、業態に併せて出し分けることで、見える化の行き過ぎによる情報の混乱を避ける表現を意識した」という
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