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ITシステムの節電対策に役立つ3つのホワイトペーパーホワイトペーパーレビュー

サーバの省電力化や電力の可視化、クライアントPC管理など企業の省電力対策を掲載しているホワイトペーパーを紹介する。

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 2011年7月に東京電力と東北電力管内における電力の使用制限令が発動されてから1カ月が経過した。気温があまり上がらなかったことも影響し、ピーク時の電力需給にも余力があり停電という事態は避けられている。しかし、まだ予断を許さない状況だといえる。多くの企業は今後も電力不足への対策を継続する必要がある(関連記事:読者調査で分かった、計画停電後に企業が実施している電源対策)。本稿では、そうした企業の節電対策に関するホワイトペーパーを紹介しよう。

サーバにおける省電力対策の基本を解説

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提供:アイティメディア(24ページ)

 このホワイトペーパーは、ITジャーナリストである栗原 潔氏が執筆した書籍『グリーンIT コスト削減と温暖化対策を両立するIT効率化の戦略』(ソフトバンククリエイティブ発行)の一部を抜粋したものだ。同書の中から、サーバ機器とソフトウェアにおける省電力化をどう実現すればよいかについて、プロセッサなどの構成要素ごとに解説している。

 このホワイトペーパーでは「適切な対策を取らなければ、サーバの消費電力と発熱はデータ処理量に比例して増大する」と指摘している。特に、サーバの消費電力においてプロセッサが占める割合は約20%であるため、特にプロセッサにフォーカスして他の構成要素にも注意を払うべきだとしている。

 また、ブレードサーバ仮想化技術を用いたサーバ統合による利用率向上がどう省電力につながるかについて、その効果の試算例を紹介している。300台の小型サーバを1台のサーバに統合した場合、全体的な電力消費量を80%削減できるという。技術解説も含まれているが、企業の担当者が省電力サーバ製品を選択する上で役に立つ内容が多い。

ラック内のIT機器単位で消費電力を計測

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提供:マクニカネットワークス(8ページ)

 一般に、ラックへのIT機器の配置は「スペック上の消費電力」に基づいて行われることが多い。しかし、この数値は最大消費電力が基準となり、IT機器の使用率によっては必ずしも効率的とはいえない配置設計になる。

 このホワイトペーパーでは、適正な電力量で効率的にIT機器を運用するためには、まず「IT機器1台ごとの消費電力を正確に把握すべきだ」と説明している。その上で、そうした電力消費の監視ソリューションとして、インテリジェンスPDU(Power Distribution Unit)と統括管理ツールを紹介している。

 PDUによってIT機器単位での消費電力量を確認し、管理ツールではリモートからのOFF/ON機能を利用できる。また、これらを利用してIT機器の電力消費を削減した企業の事例も掲載。サーバの効率的な運用を実現した通信事業者、データセンターへのサーバ移設に活用した建設系企業などを紹介している。

身近な節電対策としての「クライアントPC電源管理」

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提供:クオリティソフト(49ページ)

 企業が保有するIT機器の内、ユーザーが使用するクライアントPCも多くの電力を消費している。サーバやデータセンターの省電力対策にはコストや手間が掛かるため、まず身近な「クライアントPCの節電対策」を検討する担当者も多いだろう。その場合、PCのアイドル時の消費電力抑制やIT機器の利用停止などがその具体策となる。

 このホワイトペーパーでは、そうした対策を支援するクライアントPCの電源管理ツールを紹介している。このツールを利用すると、クライアントPCの消費電力を収集して、用途ごとに節電ポリシーを策定して一括で適用できる。省電力ポリシーでは、例えば、ディスプレーの電源オフ時間を設定することで無駄な消費電力を抑制する。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介などITシステムにおける省電力対策(電源、空調、ラック)に関するホワイトペーパーを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

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