2011年上半期、最も読まれたセキュリティ関連のホワイトペーパーは?:2011年上半期ホワイトペーパーランキング
2011年上半期は、スマートフォンやタブレット端末向けのセキュリティ対策を記したホワイトペーパーが人気を集めた。ダウンロードランキングトップ10から、ユーザー企業の関心事項を探る。
TechTargetジャパンでは、ホワイトペーパーダウンロードセンターでITベンダー各社が提供するホワイトペーパーを公開している。24あるカテゴリの中の1つ「情報セキュリティ」では、2010年後半からノートPCやスマートフォン、タブレットなど、社外で利用するモバイル端末向けのセキュリティ対策がホットテーマの1つになった。その傾向は2011年前半のダウンロード数ランキングにも表れていた。その他、ウイルス対策や情報漏えい対策など、以前から関心の高かったテーマも上位にランクインしている。
以下、2011年1月1日〜6月30日の間に公開を開始したホワイトペーパーのダウンロード数ランキングトップ10を紹介する。
順位 | ホワイトペーパータイトル | 提供ベンダー |
---|---|---|
1位 | なぜこんなに便利なiPadやGalaxyが企業に採用されないのか | コネクトワン |
2位 | iPhone/iPad/Android端末導入でシステム管理者が知っておくべき48項目 | コネクトワン |
3位 | Office文書のメール添付はもう古い、共同作業の次の常識はこれ | アドビ システムズ |
4位 | ウイルス対策メーカーの実力比較 | シマンテック |
5位 | ウイルス対策製品防御力比較リポート | シマンテック |
6位 | 10のベストプラクティス:スマートフォンから企業ネットワークへのアクセスの制御 | SonicWALL |
7位 | バックアップ不要で高セキュリティなストレージ環境構築法 | スカパーJSAT |
8位 | クラウドに最適な認証セキュリティとは 〜2要素認証で手軽かつ強力にクラウドの入口を保護〜 | 日本セーフネット |
9位 | 次世代ファイアウォールはこう使え! クラウド・SaaS時代の運用管理術 | NRIセキュアテクノロジーズ |
10位 | 誤送信したメールを「送信されなかった」ことにする技法 | CSK Winテクノロジ |
1、2位にランクインしたのは、コネクトワンのモバイル端末管理(MDM)製品「ConnectONE」に関するホワイトペーパーだ。1位の「なぜこんなに便利なiPadやGalaxyが企業に採用されないのか」では、タブレット端末を企業導入する際に管理者・経営者が気を付けるべきポイントを大きな図版入りで紹介している。後半は製品の機能紹介だが、タブレット活用を検討する企業の入門編として参考になる資料だ。
タブレット端末に加えて、スマートフォン、携帯電話も含めたマルチデバイス管理を実現したい企業にお薦めなのが、2位の「iPhone/iPad/Android端末導入でシステム管理者が知っておくべき48項目」だ。国内でも人気の高いiOS、Androidを搭載したモバイル端末は、管理の観点で見ると制御できる機能に違いがある。そうした企業導入時に手間が掛かるOSの問題や、その上で一元管理を実現するための機能や設定方法を同ホワイトペーパーでは48項目に分けて紹介している。
スマートフォン関連でもう1つ関心を集めたホワイトペーパーが、6位にランクインしたSonicWALLの「10のベストプラクティス:スマートフォンから企業ネットワークへのアクセスの制御」だ。モバイル端末の導入で懸念されるネットワークセキュリティへの影響やその対策を8ページにわたり解説している。同ホワイトペーパーはリモートアクセス時のセキュリティを担保する方法を紹介しており、在宅勤務時のセキュリティ対策を考えたい場合にも有効な資料といえる。
スマートフォン、タブレット端末のセキュリティは何か主流に?
ここ数カ月のホワイトペーパーダウンロードの傾向を見ると、上記で挙げたMDMや、セキュアリモートアクセス(SSL VPN)に加えて、端末認証や暗号化などのジャンルのホワイトペーパーが上位に挙がっている。日本ベリサインの「Android端末でも欠かせないセキュリティ対策」やNTTドコモの「これからは外出先のノートPCのデータも守る」、Absolute Software Japanの「PCおよびスマートデバイスの盗難・対策ソリューション」などは、公開から数日で数多くダウンロードされている。
スマートフォンやタブレット端末向けセキュリティに関しては、ウイルス対策ソフトなども複数ベンダーから提供されている。会社支給のPCとは異なり、私物端末がそのまま業務でも利用されるケースが多いそれらの端末は、管理する企業にとって難題の1つだ。どのセキュリティ対策製品・サービスが選択されていくか、2011年下半期も注目して見ていきたい。
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