連結ありきではない「SAP BOFC」、グローバル経営管理機能の実力は:連結決算ソリューション製品紹介【第3回】
大手ERPベンダーであるSAPの連結会計ソリューションは、開示のための制度連結ではなく、経営管理に力点を置くのが特徴だ。豊富なグローバル導入の実績で海外進出する企業を支援する。
「SAP BusinessObjects Financial Consolidation」(以下、SAP BOFC)は、SAPが主に大手グローバル企業向けに提供している連結会計ソリューションである。世界中で既に1400社以上の企業に導入されており、日本国内でも主に海外で積極的にビジネスを展開している大企業を中心に数多くの導入事例がある。
SAP BOFCは、国内ベンダーが提供する連結会計パッケージ製品とは、少しばかり毛色が異なる製品だ。一般的な連結会計パッケージ製品は、主に決算開示業務を支援するための機能、つまり制度連結に対応するための機能から発展してきている。もちろんSAP BOFCもこうした機能を一通り備えているが、制度連結対応はあくまでも「機能の一部にすぎない」という。SAPジャパン ソリューション統括本部 LoBソリューション本部 ファイナンスLoB部長 多川 健太郎氏は、次のように述べる。
「SAP BOFCは、ただ単に連結処理をして財務諸表を作るためだけの製品ではない。連結ベースでグループ企業の経営情報を作るための基盤を整備するものだ。従って当初から、制度連結だけではなく管理連結の用途も想定して作られている」
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近年ではSAP BOFCに限らず、多くの連結会計ソリューションが管理連結機能の拡充をうたっているが、その多くはもともとあった制度連結用の基本機能に管理連結の機能を追加する形だ。しかしSAP BOFCは、そうした製品とはそもそもの発想が異なるという。SAPジャパン ソリューション営業統括本部 ビジネスアナリティクス営業開発部 マネージャ 中田 淳氏は次のように説明する。
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