データセンター環境の物理/仮想リソース管理のコツ(3)
データセンターのストレージリソースの最適化に役立つ監視ツール
データセンターのパフォーマンス問題で、特に多くの労力やコストを必要とするストレージ。その改善のためには、仮想環境と物理環境の両方でストレージがどのように使われているかを正確に監視することが重要だ。
「実例で学ぶ、仮想リソース最適化のためのロードバランシング」「仮想マシンの適切なリソース管理でワークロードを効率化」に続き、データセンターのリソース利用を最適化する手段について解説する。また、深刻化する前に問題の芽をつみ取る方法を紹介する。
既存およびサードパーティーのリソース監視ツールを使う
管理者は、特定の物理または仮想サーバに直接影響するリソースをチェックしなければならないことがよくある。こうした場合、特定のデータベースサーバやクラウドベースマシン、リソース使用率の高いワークロードについてきめ細かくリポートできる優れたサードパーティーツールが利用できる(関連記事:読者に聞いた、仮想化の統合運用管理ツールの魅力と懸念)。
その1つが、カナダのuptime softwareの「up.time」だ。このツールは、サーバや仮想マシン(VM)、クラウド、コロケーションなどの監視を支援する。up.timeのグラフィカルサーバ監視ソフトウェアを使えば、管理者は、使われているOSが何であるかにかかわらず、データセンター内で動作する全ての重要なサーバリソースをグラフ化して分析できる。CPUやメモリ、ディスク、プロセス、ワークロード、ネットワーク、ユーザー、サービス状態、構成データなどのリソースのきめ細かい詳細な監視は、管理者がデータセンターリソースの適切な割り当てとプランニングを行うのに役立つ。
もう1つの強力なネットワーク監視ツールが、米SolarWindsの「Orion Network Performance Monitor」(NPM)だ。NPMは、ネットワークのトラフィックとパフォーマンスをきめ細かく監視する。管理者の日常業務を支援するため、ルータやスイッチ、無線アクセスポイント、サーバといったSNMP対応デバイスを対象に、ネットワークパフォーマンスの詳細なリアルタイム統計の監視、状態変化の追跡および分析を行う。
また、大規模なデータセンター環境では、管理者はNPMを使うことで、関連するシステムやデバイスを動的にグループ化する高度なアラート機能により、コアITサービスとデータセンターの状態を素早く確認できる。
さらに、リソースの問題の診断と解決は、通常システムに標準装備されているツールを利用して行える。例えば、Windowsプラットフォームで提供される「リソースモニター」は、マシン上でのリソース使用状況をグラフ化し、それらのリソースがどのように使われているかを管理者に知らせる。
上記で示されているサーバでは、store.exeでRAMの問題が発生している。管理者は、ExchangeはRAMを大量に消費しがちであることを認識しておかなければならない。RAMの使用状況がこうなることはよくある。しかし、この情報があれば、管理者はこのマシンにリソースを追加したり、ワークロードの一部を他のマシンに移動したりできる。
リソースモニターに用意されている幾つかのタブは、管理者がマシンを調べて、リソースがどのように使われているかを把握するのに役立つ。タブの1つは、ネットワークスループットに関するものだ。例えば、以下の図で示されているサーバは、正常に動作している。しかし、ネットワークトラフィックが急増した場合、その原因を調べて、問題を緩和する最善の方法を判断できる。
リソースについて精査を行うには、管理者は自社の環境を対象に、データセンターのどこでリソースが不足しているか、リソースのパフォーマンスはどのようなものかを監視する仕組みを構築するとよい。
データセンターのストレージリソースの考慮点
ストレージリソースは、得てして非常に限られており高価だ。ストレージが不適切に使われているとパフォーマンスの問題が発生し、解決するのに多大なコストが掛かる恐れがある。仮想環境と物理環境の両方で、ストレージがどのように使われているかを監視することが常に重要だ。
また、インテリジェントストレージツールを使えば、データを整理統合して効率的に提供することで、ワークロードの負荷を軽減できる。データセンターのSAN(Storage Area Network)環境は、大勢のユーザーが特定の時間に一斉にシステムにアクセスする場合など、急激な利用増加に非常に弱い(関連記事:仮想デスクトップ一斉起動時の速度低下を解消するSSD)。
こうした状況ではディスクに過負荷が掛かり、パフォーマンスが低下して動作が止まったようになることもある。SANメーカーはこの問題に対処するため、ソリッドステート技術やデデュープ(重複排除)対応のインテリジェントキャッシングメカニズムの採用により、パフォーマンスボトルネックの削減を目指している。
上記の画面では、リソース使用率の高いワークロードが多くのユーザーからアクセスされていることが分かる。この例のデバイスは、NetApp製ストレージシステムだ。システムに組み込まれたモジュールによるキャッシングが行われていない場合と、有効な場合とでは、ディスクパフォーマンスに顕著な違いがある。こうしたデータセンター効率化ソリューションは、IT環境の可用性と安定性の確保を支援する。この例では、大容量ディスクを購入してリソースを分散する必要がない。既存のストレージを使って、エンドユーザーに対して大規模なワークロードをより効率的に実行することが可能だ。
プランニングと監視がモノを言う
コンピューティングリソースは有限であることを常に念頭に置く必要がある。想定外の事態やリソース不足を受けてリソースを追加すると、莫大な費用が掛かることがある。このため、管理者は、データセンター環境全体の予防的な監視を継続し、リソース使用率の問題を、それらがワークロードやエンドユーザーに影響し始める前に、発見しなければならない。
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