【事例】ユナイテッドアローズがBYOD解禁、そのセキュリティ対策は?:従業員約140人のBYODを安全に
私物端末の業務利用(BYOD)を解禁したユナイテッドアローズ。同社のBYODを支えるセキュリティ対策とは何か。その選定の理由は。同社情報システム部の佐藤弘明氏に聞いた。
私物スマートデバイスの業務利用(BYOD)を2010年に解禁したユナイテッドアローズ。現在は約140人の従業員が、私物スマートデバイスから社内の情報系システムへアクセスし、業務メールやスケジュールを確認しているという。
BYODを進める上で重要になるのがセキュリティ対策だ。ユナイテッドアローズは、BYODのセキュリティ対策をどう進めたのか。e-Janネットワークスが2012年11月に開催したユーザー会イベントで講演した、同社事業支援本部 情報システム部 システムサポートチーム マネージャーである佐藤弘明氏の話から明らかにする。
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iPhone登場と情報系刷新がBYOD採用を後押し
BYOD採用の検討を始めたきっかけは、2008年7月に国内で発売された米Appleの「iPhone」の登場だったという。iPhoneが広く普及してきた2009年ごろ、「従業員が便利に使っている個人のiPhoneを業務利用すれば、業務効率の向上が期待できるのではないか」と考えるようになったと佐藤氏は語る。
同時期に進めていた情報系システムの刷新も、BYOD採用を後押しした。ハードウェアの保守サポート切れをきっかけに、2009年末に従来の「Microsoft Exchange Server 2003」から「同2007」へと移行。「単にシステムを置き換えるだけでなく、新しいシステムを使って新しいサービスを従業員に提供したかった」。こうした要素が重なり、ユナイテッドアローズは、BYOD採用に動きだした。
テスト時の”事故”でセキュリティの必要性を実感
ユナイテッドアローズは、BYOD本格採用に先立ち、一部従業員を対象に先行テストを実施した。先行テストの途中、1つの”事件”が発生したという。先行テスト実施者から「『自分のiPhoneが見つからない』との連絡が入った」のだ。結果的にそのiPhoneは見つかり事なきを得たが、「BYODには利便性とセキュリティの両立が不可欠なことを強く実感した」と佐藤氏は語る。
先行テストを経て、場所や時間を問わずに業務遂行できるといったワークスタイル変革を目的に、BYOD採用を正式決定した。正式採用に当たって重視したのが、セキュリティ対策だ。「先の”事件”で、セキュリティの脅威を実感していたことが大きかった」。具体的には、「端末内にデータを残さない仕組みを構築する」「BYODを許可してほしい従業員は、ルール順守を明記した誓約書を提出する」といったことを定めた。
BYODセキュリティ対策はどう選定した?
正式採用に伴い、必要なシステムの選定に着手。セキュリティ対策として、e-Janネットワークスの「CACHATTO」を選択した。CACHATTOは、スマートデバイスやクライアントPCに導入する専用のWebブラウザから、社内のメールやスケジュールのデータを確認可能にする「セキュアブラウザ」製品だ。
ユナイテッドアローズは、なぜCACHATTOを選択したのだろうか。
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