業界神話が崩壊したストレージ市場は冬の時代へ:ストレージ業界の2013年を占う【前編】
「景気後退の影響を受けない」とも言われたストレージ業界は、ここ10年の間に革新的な技術が多く誕生した。しかし徐々に風向きが変わり、2013年は厳しい現実を突き付けられることになりそうだ。
2012年がストレージ業界にとって、厳しい年であったことは間違いない。IT予算の大幅な削減を迫られ、IT管理者はより少ない予算でより多くのことを実現することが求められた。一方で、主要サプライヤーの多くは大きな成長を遂げられずに苦戦した。
かつて「ストレージ業界は、なぜか景気後退の影響を受けない」と言われていた。2012年は、恐らくその神話を打ち消すことになっただろう。「データは急激に増加しているはずなのに、ストレージ予算は増えていない」というのが現在の状況だ。
米TechTargetが取材した多くの企業によれば、実際、ストレージ予算は削減されつつあるようだ(ときには大幅に)。また、「より少ない予算でより多くのことを実現する」というのがこの時代のモットーになっている。それにもかかわらず、多くのストレージ担当者が「短期的な見返りを見込めないアップグレードや新規のプロジェクトは決して承認されない」という厳しい現実に直面している。
2012年の合言葉は「最適化」だった。われわれは、2013年も引き続き最適化技術には高い関心が寄せられると予想している。そうした技術には、自動ストレージ階層化(特にフラッシュSSDとともに使用)、データ重複排除、シンプロビジョニングなど、ストレージ容量を節約するための各種の技術が含まれる。業界にとっての難題は、こうした機能が今は大半のサプライヤーによって標準として提供されているということだ。つまり、もはや差別化の要因にはならないということだ。
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