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ITIL準拠のサービスデスクを低コストで定着させる2つのポイントインシデントが減らない本当の原因とは?

システムの複雑化に伴い、インシデントの量や種類も増える傾向にある。そこでサービスデスク業務を効率化しようとITILや支援ツールを導入するが、なかなか効果が得られない例が多い。その原因と確実な解決策とは?

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ビジネス部門も積極的に参加できる改善サイクルが足りない

 企業のIT部門がエンドユーザーにITのサービスやサポートを提供するための窓口、いわゆる「サービスデスク」や「ヘルプデスク」の存在が、近年あらためてクローズアップされている。その背景には、企業を取り巻くビジネス環境の変化と、それに伴うサービスデスクへのニーズの変遷がある。ゾーホージャパン ManageEngine&WebNMS事業部 マーケティングチーム マネジャー 曽根禎行氏は、近年のサービスデスクを取り巻く状況について次のように述べる。

 「サービスデスクは人材が定着しにくいため、たとえ人が入れ替わっても業務が続行できる仕組み作りに各企業とも注力してきた。サービスデスクツールの導入も、その一環だ。しかしまた、最近では、景気の回復に伴って人材の長期雇用を戦略的に進める企業も増えてきている。そのため、スキルの高い人材のノウハウを効率的に共有し、長期的に人材を育成できるサービスデスクの仕組みや運用に注目が集まっている」

 しかしその一方で、サービスデスクの業務効率が一向に上がらないために、こうした取り組みになかなか着手できない企業も多い。中でも、かつてITILのプロセスを意気込んで導入したものの、実際にはサービス品質が上がるどころか業務負荷ばかりが増え、「こんなはずではなかった」と失望する企業が多いようだ。曽根氏はこうした現状について、「ITILの導入自体が目的化してしまい、その本来の導入意義や解決すべき課題がなおざりになっているケースが多い」と説明する。

 「まず自社のサービスデスクの業務課題を洗い出した上で、『ITILのどのプロセスを導入するか』『そのためには既存の業務プロセスをどう変えればいいか』『どのようなシステムを導入すべきか』という順番で検討を進めていくのが本来のやり方。『とにかくITILを導入したい』という漠然とした思いだけでは、その導入効果はなかなか得られない」

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ゾーホージャパンの曽根禎行氏

 さらに同氏は、ITILのプロセスやITツールを導入した後の“運用”にこそ、最も重要なポイントがあると指摘する。

 「ITILは導入するものではなく、実践するもの。しかし実際には、意気込んでITILプロセスを導入したものの、その実践を継続することができずに、結局は形骸化してしまうケースが多い。本当に大事なのはプロセスの改善サイクル、つまりPDCAサイクルを回し続けることだ。PDCAサイクルの“Plan”(計画)と“Do”(実行)までは多くの組織や業務で適用できていても、計画と実行の段階で息切れしてしまい、最も重要である“Check”(分析)“Act”(改善)まで手が回っていない。さらに、ITILにおける顧客はビジネス部門(経営者や事業責任者、事業サービス提供責任者や管理者)であることから、IT部門のみでなく、ビジネス部門が必要な場面で参加できるPDCAサイクルを回すことが重要。しかし多くの場合、ビジネス部門は、ITサービス運用の改善サイクルには満足に参加できていないのが現状だ」

サービスデスクの改善サイクルを実現する2つのポイント

 では、一体どうすればサービスデスク業務のPDCAサイクルを継続的に回せるようになるのだろうか? そのポイントは2つある。1つは、ビジネス部門の目標につながるIT運用管理現場の目標を“Plan”すること。ビジネス目標を意識したITサービス運用の目標を設定することで、IT部門が顧客であるビジネス部門に対して果たすべき責任が明確となり、ビジネスとの方向性にずれのない改善提案ができるようになる。また、計画段階において、実行後、どのように“Check”を行うのかについてもあらかじめ定義しておくことも重要。

 2つめのポイントは、できる限り“Do”の作業をなるべく省力化し、そこで浮いたリソースを“Check”と“Act”に回すことだ。こうしたコンセプトの下に開発されたのが、ゾーホージャパンが提供するITIL準拠のサービスデスク管理ツール「ManageEngine ServiceDesk Plus」(以下、ServiceDesk Plus)だ。

 ゾーホージャパン ManageEngine&WebNMS事業部 マーケティングチーム 深沢萌子氏は、ServiceDesk Plusが持つ自動化・省力化機能について次のように説明する。

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ゾーホージャパン 深沢萌子氏

 「サービスデスク業務で最も多くの工数が割かれるのは、情報をツールに入力したり転記したりするための作業。例えば、ユーザーからの問い合わせ内容をExcelに入力し、さらにその内容をメールに記載してエンジニアに送ったりする作業だ。ServiceDesk Plusは、そうした作業の多くを自動化することで工数を削減し、改善プロセスを回す方に担当者がより注力できるようにする」

 具体的には、ユーザーから受け取った問い合わせメールを自動的にチケット化し、あらかじめ設定したルールに基づいてカテゴリに分類できる。あるいは、問い合わせの解決期日の設定や、担当者の割り当てなども自動化できる。こうした一連の転記・分類作業を自動化するだけで、一般的なサービスデスクの業務はかなり省力化される。

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図1  ManageEngine ServiceDesk Plusの機能概要

 こうして浮いた労力を、業務プロセスの検証や分析作業に回すことで、PDCAサイクルを無理なく継続的に回せるようになるわけだ。ちなみにServiceDesk Plusには、サービスデスクの対応状況や、個々のインシデントの情報を統計的に可視化するレポーティング機能も備えるため、プロセスの検証・分析作業も効率的にできるようになっている。

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図2 誰にとっても理解しやすく使いやすい管理ダッシュボード《クリックで拡大》

 また、サービスデスクツールとしては珍しく、資産管理の機能を併せ持っている点や、多言語に対応している点もServiceDesk Plusの大きな特長だという。

 「インベントリ情報の自動収集と管理機能などを備えるため、別途、資産管理ツールを購入しなくともサービスデスク業務と合わせて簡易な資産管理も実現できる。また29カ国の言語に対応しているため、グローバルにサービスデスクを展開したいという企業のニーズにも応えることができる」(深沢氏)

ITIL準拠サービスデスクツールとしては極めて安価に導入・運用が可能

 ツールの使いやすさも”Do”を省力化できるポイントだ。ServiceDesk PlusはITILに準拠しており、最上位エディションの「Enterprise Edition」ではCMDB(構成管理データベース)を備えるとともに、「インシデント管理」「問題管理」「変更管理」「構成管理」「サービス要求管理」の各ITILプロセスに対応した機能を実装。また、今年リリースしたバージョンでは「リリース管理」を意識した「プロジェクト管理」も追加した。しかし、それ以外のITILプロセスについては、現時点では「あえて」実装していないという。その真意について、曽根氏は次のように説明する。

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図3 CMDBの管理画面では構成アイテム間の関係性をマップで表示できる《クリックで拡大》

 「効果が出やすいプロセスだけにあえて機能を絞り込むことで、ユーザーが余計な検討をせずに済むよう配慮している。また、個々のプロセスの設定項目も、『これだけは管理しておいた方がいい』という項目に絞り込んでいるため、あれこれ迷うことなく迅速に利用を開始できる。国内の企業のITIL運用の成熟度が増せば、さらに対応プロセスを広げる検討をしていきたい」

 このことは、承認履歴を電子的に行うワークフローの機能についても同様だという。一般に、ワークフローは柔軟に設定・カスタマイズできる方がいいとされるが、一方で過多なカスタマイズは組織変更や人事異動への頻繁な対応の必要性から保守性を著しく低下させることにもなる。その点ServiceDesk Plusは、リッチなワークフロー機能より柔軟性、保守性を重視し、極めてシンプルな仕様となっている。

 最も注目すべき特長は、導入・運用コストが極めて安く抑えられている点だ。ベーシックエディションの「Standard Edition」は年間ライセンス料金がわずか8万5000円から、Enterprise Editionでも61万2000円からと、大手ITベンダーのサービスデスク製品と比べると極めて安価なライセンス体系となっている。さらにゾーホージャパンでは、ユーザー企業がServiceDesk Plusをよりスムーズに導入できるよう、「導入支援サービス」も提供しているという。こちらも製品同様、他の大手ITベンダーが提供するサービスよりもはるかに安い価格で必要十分なサービスを提供している。

 「ITILやITサービスマネジメントを熟知したパートナー企業から、既存の業務プロセスに合わせたServiceDesk Plusの導入方法や、ServiceDesk Plusに合わせた業務プロセス改善についてのコンサルティングサービスを提供している。導入支援サービスを活用して製品を導入すれば、サービスデスク管理ツールを安価に導入できる上に、PDCAサイクルの“Plan”のハードルを大幅に低くできる。加えて、機能が絞り込まれていることで“Do”が省力化されるため、結果としてユーザーは“Check”と“Act”により注力できるようになる」(曽根氏)

 なお、ServiceDesk Plusは国内大手企業をはじめ、全世界で2万社以上の導入実績を持つ。これは同製品が極めて実践的かつ信頼性の高いツールであることの証左といえる。中には、既存のツールの半分の費用で導入したServiceDesk Plusで工数を半減させた企業もあるという。

 ITILはあくまでベストプラクティス集であり、具体的な適用方法まで説かれているものではない。その点で、自社に即した実行可能なプロセスの設計と、無理なく使いこなせる支援ツールの選定が、サービスデスク業務を効率化する大きな鍵になる。ServiceDesk Plusで「真に使えるITILプロセス」を実現し、自社のサービスデスク再生に取り組んでみてはいかがだろうか。


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提供:ゾーホージャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTarget編集部/掲載内容有効期限:2013年11月16日

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