安全なスマートフォンは存在するのか
オバマ大統領が「iPhone」を使わない“やっぱり”な理由
全てのスマートフォンは盗聴可能なのだろうか? NSAの元職員であるエドワード・スノーデン氏の暴露によって通信機器へのハッキングを心配する声が高まっている。今取ることができるベストな対抗策を探る。
オバマ米大統領は先日「セキュリティ上の理由から『iPhone』を使用することはできない」と発言した。陰謀論者によると、米国家安全保障局(以下、NSA)と諸外国政府がiPhoneをハッキングできるためだと言う。一方、米Googleの「Android」では多数のリスクが報告されているため、「iOS」に信頼を置く企業や組織も少なくない。iPhoneのセキュリティには本当に問題があるのだろうか。そもそも安全なスマートフォンなどというものは存在するのだろうか。
大統領が使うスマートフォンは?
理由はともかく、オバマ大統領がiPhoneを使用するのはあまりにもリスクが高く、避けるべきという判断が下されている。オバマ大統領がiPhoneを手にする姿は見られないだろう。だが、「Mac」や「iPad」を使っているところは最近目撃されている。恐らく、iPhoneのクローズドOSには、諸外国政府によって通話が盗聴されることを防ぐに足る暗号化制御を追加できないのだろう。オバマ大統領はカナダBlackBerryの「BlackBerry」を愛用してきた。だが、米国と英国の情報機関はBlackBerryのデータにアクセスできることが確認されている(現在、オバマ大統領は「BlackBerry One」というNSAの認可を受けた特殊モデルを使用している)。
NSAの元職員であるエドワード・スノーデン氏がNSAの監視がどこまで入り込んでいるかについて暴露したことは、人々を恐れおびえさせかねない。同氏によると、NSAは一部の暗号化アルゴリズムを弱体化させ、脆弱性に付け込んで情報にアクセスしようとしているという。NSAと英政府通信本部(NSAに相当する英国の機関)は、人気ゲームの「Angry Birds」などのスマートフォンアプリがインターネット経由で伝達している情報を入手する機能を開発中だ。事実、ネットワークや通信システムに接続したデバイスには攻撃を受けるリスクがあり、デバイスにある情報は漏えいする可能性がある。
全てが相互に接続された今日の世界で生き残るために、企業や組織はネットワークをサプライヤー/顧客/従業員に公開せざるを得ない。つまり、ネットワークに接続するデバイスとアプリケーションの潜在的なリスクを評価する必要がある。見つかったリスクは保有、低減、移転または回避しなければならない。
安全なスマートフォンを使用する必要性に迫られているものの、スマートフォンで極めて機密性の高い情報を保存または通信するリスクが懸念される場合は、一部のベンダーが提供する高度な暗号化機能の使用を検討されたい。
スイスで合弁事業を立ち上げた米Silent CircleとスペインのGeeksphoneは近日「Blackphone」をリリースすると発表した。Blackphoneには、Androidをベースにセキュリティを強化した「PrivatOS」というOSが搭載されている。Blackphoneは、通信事業者とベンダーからの独立性を保証するオープンソースプロジェクトだ。安全な通話、ビデオチャット、テキストメッセージ、ファイルの保存/転送の機能を提供している。
現在利用できる安全なスマートフォンには、米General Dynamicsの「Sectera Edge」などがある。このスマートフォンは、極秘情報に分類されるワイヤレス音声通信と機密情報に分類される電子メール/Webサイトへのアクセスの保護について認定を受けている。この種のスマートフォンに予算的に手が届かない場合は「Cellcrypt Mobile」というアプリケーションを使用できる。専用機器は不要で、Android、BlackBerry、iPhoneおよびフィンランドNokiaのスマートフォンで利用可能なリアルタイムの暗号化がエンドツーエンドで提供される。
だが、スマートフォンにおける最大の脅威がユーザーであることに変わりはない。スマートフォンのデータと通信の安全を保証するには、セキュリティ意識教育を通じて利用規約の順守を徹底することが不可欠だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込み開発特有の課題も解消できる「AI活用」の秘訣とは? -
事例
[株式会社ビザスク] 「新規事業」事例集:大手企業はどのように想定顧客ヒアリングを行っているのか -
市場調査・トレンド
[株式会社ビザスク] 質の高い「仮説検証インタビュー」を実施するためのポイント -
事例
[株式会社ビザスク] 富士フイルムの新領域参入に学ぶ事業創出 「畑違い」でもビジネス化できる方法 -
事例
[株式会社ビザスク] 三菱電機 上席執行役員に学ぶ、未来を切り開く「新事業創出」の実践方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
3
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
4
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
5
「IBM i(AS/400)はクローズドなシステム」という誤解 DXに寄与する一歩
-
6
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
7
長年の蓄積は利点にも弱点にもなる 「脱レガシー」実行前に解決すべき課題とは
-
8
AI時代のITインフラ戦略とは? 販売代理店が知っておきたい最新トレンド
-
9
「GitHub Copilot」3000人に配布も基本機能しか使われない 保険大手が得た教訓
-
10
NANKAIグループはPC処分の情報漏えい不安とコスト課題をどう解消したのか
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
3
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
8
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー