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マイナンバーのインフラ活用が不安材料? 「医療等ID」が2018年に始動:医療・介護分野における“IT化の徹底”を狙う日本政府(1/2 ページ)
日本政府は2015年5月29日、「医療等ID」に関する方針を決定した。マイナンバー制度のインフラを活用し、2018年4月から段階的な運用を始め、2020年の本格運用を目指す。
マイナンバーとの連係が不安材料? 「医療等ID」とは何か
日本政府は2015年5月29日、医療や健康、介護分野の情報に個人番号を付与する、いわゆる「医療等ID」に関する方針を決定した。2016年1月に開始されるマイナンバー(社会保障・税番号)制度の基盤を活用する予定だ。2018年4月から段階的に運用し、「医療連携や研究に利用可能な番号」として2020年の本格運用を目指す。
医療等IDは、民主党政権下の2012年9月に「医療等分野における情報の利活用と保護のための環境整備のありかたに関する報告書」において「マイナンバーとは異なる医療等の分野で使える可視化された番号を導入する」とその導入が公表された。その後、政権交代により一度議論は中断したが、安倍政権が2013年6月に閣議決定した「日本再興戦略」において、国民の医療・介護情報を管理する「医療情報の番号制度」の導入を図ることが再び示されていた。今回、医療等分野への番号制度導入を正式発表した形となる。
本稿では、2015年5月29日に開催された産業競争力会議(注)における関連省庁の資料を基に、医療等IDの概要を整理する。
注:自民党・日本経済再生本部の下部組織。第2次安倍内閣の経済政策「アベノミクス」の第3の矢となる成長戦略の実現に向けた調査審議を目的に2013年に設置された。
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