徹底レビュー:外付けキーボードの決定版「Microsoft Universal Mobile Keyboard」を使ってみた:タブレットのキラーキーボードたるやいなや(2/2 ページ)
タブレットをビジネスの現場で使うユーザーが増えている。モバイルOS対応のビジネスアプリの普及で本格的なビジネスドキュメントも可能になってきた。しかし、そのためには使える外付けキーボードが欠かせない。
キーボード
Universal Mobile Keyboardに搭載したキーボードユニットの幅は23センチで、小型ノートPCのキーボードと同等のサイズだ。タッチタイピングに十分なキー間隔を確保しているが、手の大きいユーザーやデスクトップPC用のフルサイズキーボードに慣れたユーザーは、狭く感じるだろう。タイプしたときの音は静かだ。また、キーストロークは深く押しやすい。
米国で購入すると、Universal Mobile KeyboardはQWERTY配列になっている。キーは5段で構成しており、右下には上下左右の矢印キーを用意する(なお、Universal Mobile Keyboardには、英語版のほかに、仏、独、日本向けのバージョンもある。日本ではJIS配列の日本語キートップ採用モデルを販売する)。2〜4段目のキーのサイズと比べて、一番上の段にある数字と記号のキーサイズを抑えている。句読点キーや記号キーを含む標準配列を採用しているため、Universal Mobile Keyboardのために改めてキー配列を覚える必要はない。
このキーボードは、特殊な機能キーを用意している。具体的には、電源オン/オフ、ミュート、音量アップ/ダウン、メディア再生/一時停止、次のトラック/前のトラック、検索キーだ。これらの機能キーは、Android、iOS、WindowsのいずれのOSを搭載しているかに関係なく、テストした全てのデバイスで正常に動作した。なお、タブレットやスマートフォンの搭載するOSによって、機能が変化するキーもある。例えば、Appleの「iPad」でEscキーはホームボタンとして機能する。
Microsoftは、各キーが500万回のタイプに摩耗せず耐えることを約束している。TechTargetでは500万回の打鍵を実際に試すことはできなかったが、数週間酷使しても問題なく機能していることは証言できる。ただ、キーにバックライトは備えられていないので、暗闇や間接照明のない場所では使いづらい。
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パフォーマンス
Universal Mobile Keyboardは、Bluetooth 3.0を採用しており、各種デバイスやOSと連係できる。ワイヤレスなのでデバイスがキーボードを認識して使うためにタブレットやスマートフォンと物理的に接続している必要もない。
Universal Mobile Keyboardで採用したもう1つの特徴は、最大3台のデバイスをペアリングし、接続するデバイスをスイッチの切り替えで変更できることだ。
ただし、重要な注意がある。その3台のデバイスは異なるOSを搭載していなければならない。Microsoftの「Surface 3」などのWindowsタブレットとAndroidスマートフォンを所有しているユーザーや、Samsungの「Galaxy Tab S2」などのAndroidタブレットとAppleの「iPhone」を所有しているユーザーにとっては、キーボードのスイッチを切り替えるだけで希望のデバイスに接続できるので非常に便利だ。一方、iPadとiPhoneを所有している場合や、Androidデバイスを2台所有している場合は、デバイスを切り替えるたびにペアリングを行わなければならないので厄介だ。
iOSとWindowsでは、Bluetoothキーボードを標準でサポートしている。また、Bluetooth HID(ヒューマンインタフェースデバイス)をサポートしているAndroidデバイスでもUniversal Mobile Keyboardは使用可能だ。ドライバを追加でインストールする必要はなく、タブレットやスマートフォンをUniversal Mobile Keyboardとペアリングするだけで、文字が入力できるようになる。
バッテリー駆動時間
Universal Mobile Keyboardは300mAhのバッテリーを内蔵している。Microsoftによると、6カ月は再充電がいらないという。Bluetoothキーボードは消費電力が非常に少ないので、妥当な推定時間だろう。また、1日使用するのに十分な電力を10分で充電できるとのことだ。
めったに出番はないが、充電が必要になったときのために、片側にMicro USB端子を備えている。電源ボタンは右側面に用意しているが、カバーを開閉するだけでUniversal Mobile Keyboardのオン/オフが切り替わる。Universal Mobile Keyboardに幾つかある問題点の1つが、この電源ボタンが意図せずに押してしまう位置にあることだ。そのため、キーボードを移動するときに間違えて電源をオフにしてしまうことがあり得る。
Bluetoothキーボード全般に共通する問題だが、キーボードをしばらく使用しないときはバッテリーを節約するために電源をオフにしなければならない。そのため、ユーザーが、コーヒーを飲みに行くなど別のことを数分間行ってから入力作業に戻る場合、キーボードが再起動してタブレットやスマートフォンに再接続するまで、数秒間の待ち時間が生じる。これはストレスの原因になる可能性がある。そのため、Microsoftの「Surface」シリーズとiPad Proでは、Bluetoothを使わず、接点で本体とキーボードユニットが物理的に接続する機構を採用している。
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価格(ただし米国限定製品との比較になる)
Universal Mobile Keyboardの定価は79.95ドル(日本で販売する日本語モデルは税別で7980円)だ。価格を比較するため、さまざまなタブレットやスマートフォンと連係して使えるように設計された他のキーボードを幾つか挙げてみよう。
1つは、米ZAGGの「ZAGG Pocket」で、希望価格は69.99ドルだ。もう1つは、米LapWorksの「Amigo 2.0 Folding Keyboard」で、価格は139.95ドル。また、Samsungの「GALAXY Tab S2 9.7」などの特定のモデル専用に設計されたキーボードの価格帯は、100ドル〜150ドルとなっている。
Universal Mobile Keyboardは、競合キーボードと同じ価格帯に収まっている。高品質であることを考えれば、むしろ安価だといえるだろう。
結論
Universal Mobile Keyboardは、市場に出回っているものの中で最高のキーボードの1つだ。複数のデバイスで簡単に共用できる上、デザインも全体的にいい。また、頑丈であるのも間違いない。会社員や学生など、モバイルデバイスで大量の文字を入力しなければならないユーザーには最適のモデルだろう。
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