永続ストレージサービスを統合
「Docker」向けハイパーコンバージドインフラ登場、その機能とは?
スタートアップ企業の米Rancher Labsはアプリケーション開発者に新しい永続ストレージサービスとハイパーコンバージドインフラを提供。「Docker」コンテナ向けソリューションを拡充する。
米Rancher Labsは先頃、「Docker」コンテナ向けのハイパーコンバージド(超垂直統合型)インフラプラットフォーム「Hyper-Converged Infrastructure for Containers」を発表した。同社のOSと新しい永続ストレージサービス「Persistent Storage Services for Docker」を統合したプラットフォームによって、開発者はコンテナ化したアプリケーションにストレージを配備できるようになる。
Rancher LabsはDockerコンテナを実行するための「Linux」ベースの軽量OS「RancherOS」の開発元であり、2015年夏には1000万ドルの資金調達を発表している。Rancher Labsのスタックには永続ストレージサービスの他、Dockerコンテナの管理ツール「Rancher」も含まれる。
Rancher Labsは2015年11月に開催された「DockerCon Europe」カンファレンスにおいて、現在β版テスト段階にあるこのハイパーコンバージドインフラのデモを披露した。
このハイパーコンバージドインフラは仮想マシンとコンテナの両方をサポートし、コンテナ内で仮想マシンを実行するので、ユーザーは両方を同じツールで管理できる。またPersistent Storage Services for Dockerは「Docker 1.9」のボリュームプラグインを土台としており、ストレージサービスは直接コンテナホスト上で動作する。このサービスは各種アプリケーションに永続的なDockerボリュームを作成してマウントし、スナップショット、バックアップ、リモートレプリケーション、データアナリティクスといったベンダー独自のストレージ機能を提供できる。ハイパーコンバージドは今のところ「NexentaEdge」「Gluster」「Ceph」などのストレージをサポートするが、同社CEO兼創業者のシェン・リャン氏によれば、今後サポートするストレージを追加する方針という。
リャン氏によると、同社の永続ストレージサービスは「Docker Compose」ツールを使うようになっており、GlusterやCeph、NexentaEdgeなどのストレージを利用して、信頼できるストレージクラスタを構築できるという。アプリケーションがリモートレプリケーションを必要とする場合は、リモートレプリケーションをサポートする技術を探し(恐らくGlusterということになるが)、それをアプリケーションに配備する。
Hyper-Converged Infrastructure for Containersは米Intelのx86ベースのサーバとSSD(ソリッドステートドライブ)を採用し、開発者はDockerのネイティブなコマンドラインインタフェース(CLI)とAPIを使用できる。パブリッククラウドのインスタンスをコンピューティングリソースとして登録すれば、容量の拡張も可能だ。ツールはDocker Compose、「Docker Swarm」と米Googleの「Kubernetes」をサポートする。
永続ストレージサービスは、仮想マシンであれ、ベアメタルサーバ(OSがインストールされていない物理サーバ)であれ、Rancherクラスタ内の複数のホストで動作する複数のディスクにわたって展開できる。またRancherはGlusterやCeph、NexentaEdgeといったストレージサービスからのブロックストレージボリュームの展開を調整できる。
なお、永続ストレージサービスはDocker Composeのテンプレートを使用し、Rancher UIかAPIから起動する。Rancherがアプリケーションとストレージサービスを管理し、不具合を監視して、問題が発生した場合はストレージサービスを自動的に復旧する。
米ITコンサルタント企業Enterprise Strategy Groupでアプリケーションの開発展開を担当する主任アナリストのスティーブン・ヘンドリック氏は、Rancherのコンテナ管理は「Dockerのオールインワンソリューション」のようなものだと指摘する。同氏によれば、コンテナの最大のメリットは従来型インフラのデータセンターにはできない方法でマイクロサービスをサポートできる点だという。
「仮想インフラでも、希望するような利用レベルは得られない。永続ストレージサービスを使うことで、ユーザーに各種ストレージサービスへのネイティブな直接のアクセスを提供できる。APIのマッピングが不要となるので、企業は従来のようにストレージサービスをより直接的に利用できる」と同氏は語る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
3
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
6
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
7
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
8
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
9
IT調達担当者が知るべき「IT機器 大インフレ時代の前向きな選択肢」
-
10
「RAGの利用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー