「VAIO Phone Biz」購入予定の人も注意
「Windows 10スマホは超小型PCとして使える」は“都市伝説”だった?(1/3 ページ)
「NuAns NEO」「VAIO Phone Biz」など、UI変換機能「Continuum」を備えた「Windows 10 Mobile」スマートフォンが国内でも登場し始めた。ただしスマートフォンをPCとして使おうと考えている人は注意が必要だ。
スマートフォンを持つと、多くの人はよくこう思う。「いつもスマートフォンを持ち歩いているのだから、これでクライアントPCと同じことができたらどんなにいいだろう」
スマートフォンで調べものをしてプレゼンテーションソフト「Microsoft PowerPoint」を使ってプレゼン資料を作成し、会議や授業でプロジェクターに無線接続してそれを発表。それからインターネットに接続して、そのプレゼンに関するブログを書いたり、動画共有サイト「YouTube」に動画を投稿したりする。その全てを大きなデスクトップPCや重いノートPCを一切使わずに、スマートフォンだけで実現できたら便利だろう。
Microsoftがスマートフォン向けOS「Windows 10 Mobile」に搭載したユーザーインタフェース(UI)変換機能「Continuum」は、この夢をかなり現実に近づけている。ただし残念ながら、今すぐそれに飛び付くと悪夢に変わるかもしれない。本稿ではContinuumを検証し、スマートフォンだけでまだ全てができるわけではない理由を解説する。
Continuumの実際
Microsoftが開発者向けカンファレンス「Build 2015」で発表したWindows 10 Mobileの新機能の目玉が、スマートフォン向けContinuumだ。「Windows 10 Mobile搭載スマートフォンを通常のWindows搭載PCのように使える」といううたい文句には、スマートフォンとクライアントPC双方の市場を大きく作り変える可能性が感じ取れる。
Continuumで使えるアプリケーションは、スマートフォン、クライアントPC、タブレット、ゲーム機「Xbox One」のどのWindows 10でも実行可能なユニバーサルアプリだ。スマートフォンの5インチ画面でモバイルデバイス版の「Microsoft Excel」を起動し、そのスマートフォンをドッキングステーションにつないでデスクトップやノートPCに接続すると、大きな画面に合わせて表示サイズを自動的に変更。キーボードとマウスを使用するUIに切り替わる。1つのデバイスがマルチデバイスになる、ということだ。
実際にContinuumを使うには、Windows 10 Mobileスマートフォンを有線ドッキングステーションにつなぐか、映像伝送規格「Miracast」に準拠したディスプレイやワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスなどの周辺機器に無線接続する必要がある。
大きなディスプレイに合わせたUIのサイズ変更が問題なくできるのは、現時点ではタイル表示対応アプリに限られる。利用を検討するときには、そこが1つの難点になりそうだ。タイル表示対応アプリに偏っているところを見ると、ContinuumはスマートフォンをWindows搭載PCと全く同じように使えるようにする機能というよりも、「Windows RT」のコンセプトを発展させた機能のように感じる。
Microsoft製のContinuum対応アプリはいずれも、スマートフォンからドッキングステーション経由で大きな画面につないだときの表示の切り替えがスムーズだ。デュアルディスプレイ設定でスマートフォンの画面と大きな外部モニターの画面を両方同時に使うこともでき、一方に動画配信サービス「Netflix」、もう一方にPowerPointやWebブラウザ「Microsoft Edge」などを表示することもできる。
中には2画面を使った表示が適切にできないアプリもあるようだ。大きなデスクトップモニターに表示しているアプリのアラートメッセージがスマートフォンの画面に表示されてしまい、大きいモニターを見ていると見逃してしまう心配がある。
Continuumが利用可能なWindowsスマートフォンは期待できそうだが、Windows 10 Mobile用アプリの多くはARM系プロセッサ向けに開発されている。また古いWindows搭載PC用のソフトウェアをインストールすることはできない。こうした従来型Windowsソフトウェアを使う業務の場合、Windowsスマートフォンを生かすのは難しいだろう。
こうした問題に対し、例えばHPはこれからリリースする予定のサービスとアプリで解決策を提供できると説明する。クラウドで稼働する仮想PCを使い、Continuum対応Windows 10 Mobile搭載スマートフォンで従来型Windowsソフトウェアを実行できるようにするとのことだ。だが本稿執筆時点では、まだ実演デモは確認できていない。
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