欲しいスマートフォンをどう探す? スペックシートの“難解単語”にだまされない方法:正しく理解すれば何万円も節約できる(3/4 ページ)
スマートフォン新モデルは今後も数を増す一方だ。その中から自分に最適なモデルを見つけ出すために重要な手掛かりになるのが「スペックシート」だ。その活用次第では無駄な投資を大幅に節約できる。
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本体搭載インタフェース
現在ほとんどのスマートフォンが無線LANをサポートしている。その多くは最新のIEEE802.11acに対応している。ただし、一部の低価格帯ではIEEE802.11nまでというモデルも残っている。ほとんどのスマートフォンは、デュアルバンドをサポートしており、2.4GHz帯と5GHz帯の無線LANに接続可能だ。5GHz帯は一般的に通信速度が速く安定性が高い。これは、この帯域を利用するデバイスが“今のところ”少ないからだ。
無線LANの他にも、スマートフォン本体と周辺デバイスとの通信手段は幾つか存在する。
Bluetooth
全てのスマートフォンで導入している。ワイヤレススピーカー、ヘッドセット、イヤフォン、キーボードなどのアクセサリーをモバイルデバイスに接続するときによく使う。Bluetoothのバージョンには、1.0、2.0、3.0、4.0がある。バージョン4.0は、Bluetooth Smart、BLE(Bluetooth Low Energy)または単にLE(Low Energy)と呼ぶことも多い。2016年3月時点では、バージョン4.2が最新のアップグレードになる。バージョン4.2は接続速度が速く、インターネット接続を強化している。また、セキュリティもより堅固になった。なお、AppleはBLEを独自に拡張した「iBeacon」を提供している。
Bluetoothは下位互換なので、Bluetooth 4.0スマートフォンをBluetooth 3.0スピーカーとペアリングできる。スマートフォンが外部デバイスと通信するためには、スマートフォンに外部デバイスと同等か、それ以上のBluetooth規格を搭載している必要がある。Bluetooth 4.0対応ヘッドセットをペアリングするには、スマートフォン側もBluetooth 4.0をサポートしていなければならない。
NFC(Near Field Communication)
写真や連絡先などのデータをスマートフォンから別のNFC対応デバイスにケーブルを使用せずに転送できる。NFCは、Appleの「Apple Pay」、Samsung Electronicsの「Samsung Pay」、Googleの「Android Pay」などによる店頭での電子決済で採用している。
USB Type-C
USBはスマートフォンの充電に使用する(Micro USB)ほか、有線接続でデータ転送ができる。現在のスマートフォンで一般的なのはMicro USB(USB 2.0)と新しいUSB Type-C(USB 3.1をサポート)だ。USB Type-Cは、コネクタが上下方向の関係がないリバーシブル形状で、USB 3.0/3.1デバイスへのデータ転送を短時間で行えるなど、USB Type-Cを備えたスマートフォンは使い勝手がいい。USB Type-Cデバイスを選ぶデメリットの1つは、別のケーブルが必要になるため、所有している予備のMicro USBケーブルが流用できないことだ。また、USB Type-Cケーブルは、PCや外部デバイスでまだ数多く残っているType-A USBと互換性がないため、USB Type-C/Type-Aアダプターが必要になる。
対応しているUSBの規格を確認するときに注意したいのは、新モデルのスマートフォンが必ず最新のインタフェースを搭載しているわけでないことだ。Samsung Electronicsの「Galaxy S5」は、Micro USB 3.0を搭載していたが、その次のモデルとなった「Galaxy S6」と「Galaxy S7」ではMicro USB 2.0に戻り、転送速度の面では後退している(ただし、これは、Micro USB 3.0に対応したケーブルがコスト高で普及しなかったいう事情も考慮すべきだ)。
iPhoneが搭載するインタフェースの変遷でも同じような留意事項がある。Appleは、iPhoneなどで長く使ってきた30ピンコネクタの後継規格として「Lightning」という独自インタフェース規格を採用した。LightningはMicro USBケーブルやUSB Type-Cケーブルと互換性がないので、Lightning専用ケーブルを他のケーブルと一緒に携行する必要がある。
メモリ
システムRAMとフラッシュRAM(日本のベンダーが示すスマートフォンのスペックシートでは「ROM」と記載することが多い。この記事でもROMと記載する)は、どちらも半導体メモリのカテゴリに属しているが、それぞれの役割は異なる。システムRAM(Random Access Memory)の容量は、PCと同様に、スマートフォンのマルチタスク性能や大容量データを扱う処理速度に影響する。システムRAMの容量が多いほど、処理速度は速くなり安定して動作するようになる。一方で、ユーザーの用途次第ではシステムRAMをフルに活用せずに持ち腐れになることもあり得る。2016年3月時点におけるスマートフォンハイエンドモデルにおけるシステムRAMの容量は4GBが多い。
ROM(その実態はフラッシュRAM)は、スペックシートに「内蔵ストレージ」「容量」という単語と共に記載する。ここで示す値は、静止画、動画、音楽、アプリなどのデータを格納できるストレージの容量を表しているわけではない。ユーザーが利用できる内蔵ストレージの容量は、最初から導入しているOSとプリインストールアプリが消費した分を差し引いている。スマートフォンによっては、OSとプリインストールアプリが内蔵ストレージを10GB消費している場合もある。購入する前には実際に利用可能なストレージ容量を確認しておきたい。
スマートフォンの内蔵ストレージ容量は、16GB、32GB、64GB、128GBが一般的だ。アプリがサイズアップするとともに、静止画像や動画のファイルサイズも大きくなっているので、16GBでは足りなりユーザーが多いだろう。4K(3840×2160ピクセル)動画の撮影に対応したスマートフォンを購入する場合には、ストレージが64GB未満は購入候補から外すべきだ。
スマートフォンによってはmicroSDカードスロットを備えており、内蔵ストレージを拡張できる。Android搭載スマートフォンでは、(OSとベンダーが設定した制約内において)microSDカードを内蔵ストレージとしてマウントでき、そこでアプリを保存して実行可能だ。マウントしない場合、microSDカードには静止画や動画などのファイルを保存できる。
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