ひと目で分かるUIと、安全なデータ共有
「エボラ出血熱」拡大阻止の現場、災害医療モバイルアプリはどう活躍したか?(1/2 ページ)
エボラ出血熱の大流行に対する国際対応において、ある非営利団体は地域医療従事者が調査対象からデータを収集するためのモバイルアプリを活用した。
2014年に西アフリカでエボラ出血熱が大流行したとき、世界中の団体が多数の医療従事者を派遣し、現地の医療関係者やボランティアを支援した。以来2年間、そうした団体の多くは災害対応におけるモバイル医療技術の有用性を実感している。
災害医療において、患者からの情報収集と分析、共有、対策は重要な作業だ。米国の非営利団体Partners in Health(PIH)は現地で活動し、医療関係者の訓練、患者のケア、患者と家族を対象とした調査を行ってきた。
2016年上半期「医療IT」記事ランキング(2016年1月1日~2016年6月20日)
1位 iPhone 3200台導入の東京慈恵会医科大学、情報共有の在り方を一新
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2015年6月、PIHは、シエラレオネのコノ地区で医療従事者として働く同団体従業員、パートナー、地域住民向けにエボラ出血熱スクリーニング用アプリの提供を開始した。彼らは患者の症状と治療情報に関するデータの入力と収集に、PIHから支給されたスマートフォンと、このアプリを使った。
PIHの地理情報システムおよびモバイル医療スペシャリストのエルミヤス・ビル氏は、「Mobile Monday Boston」というイベントのパネルディスカッションに参加し、貧しい地域や災害状況においてはモバイル医療技術の導入を難しくする要因があると話した。地理的条件や天候、電力供給不足が原因で、地域医療従事者が患者のところまで行けなかったり、モバイルデバイスを使えないことがあるという。その上、エボラ出血熱の大流行への対応は急を要した。
「反復型開発の手法でアプリを開発している余裕はない」とソフトウェアプロバイダーDimagiのCEO、ジョナサン・ジャクソン氏は述べた。Dimagiは、PIHがエボラ出血熱スクリーニング用アプリの開発に使った「CommCare」という開発環境の提供元だ。
PIHはこのモバイルアプリを使う医療従事者に1日だけトレーニングを実施し、すぐに患者のところで実際に使ってもらった。
「私たちの活動地域ではリソースが限られており、緊急対応のために早急に実用化する必要があった」(ビル氏)
Dimagiのソフトウェアはオープンソースで、シンプルなユーザーインタフェース(UI)開発オプションがあり、誰でも簡単にアプリを作ることができたため、「短期間での実用化が可能だった」とビル氏はいう。さらにCommCareのアプリがオフラインで動作することも、西アフリカのエボラ流行地域のようにインターネット接続が限られる環境では重要だった。
読み書きが十分にできない患者や現地の医療従事者も、このアプリを使うことで簡単に意思疎通ができ、正確なデータを収集できた。文字で書かれた質問を理解できない患者でも、アプリの大きなアイコンや画像、音声、分かりやすい言葉によって質問を理解し、それに答えることができた。
「必要な情報を100%収集することができた」(ビル氏)
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