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不正競争防止法の「営業秘密」として守られるための“3大条件”とは?:知って納得、「セキュリティ法制度対応」の具体策【第4回】(1/3 ページ)
2015年の改正で、営業秘密の取扱いに関するセキュリティ法制度としての役割が明確化された「不正競争防止法」。法的保護を受けるための最低限の条件の内、特に情報システムとの関わりが深い点を中心に解説する。
「不正競争防止法」は、他人の技術開発や商品開発などの成果を冒用する行為を不正競争として禁止している法だ。この最も新しい改正法案が2015年7月3日に成立し、2016年1月1日に施行された。
今回の改正の背景は次の2点だ。
- 営業秘密の価値の再認識
- 企業の知的財産(知財)戦略の1つとして、特許要件を満たしているにもかかわらず、あえて秘匿(営業秘密)化するケースが増加しており、特許法以外でも知財を保護する必要性が増加
- 営業秘密侵害の危険性の高まり
- 以下のような甚大な被害に及ぶ知財侵害事件が度々発生しており、知財保護を強化する必要性が増加
- 韓国鉄鋼大手のPOSCOによる新日鉄住金の製鉄技術の侵害(POSCO側が約300億円を支払うことで和解)
- 韓国半導体メーカーSK hynixによる東芝のフラッシュメモリ技術の侵害(SK hynix側が約300億円を支払うことで和解)
- 委託先従業員によるベネッセコーポレーションの顧客情報の侵害(約3000万件)
- 以下のような甚大な被害に及ぶ知財侵害事件が度々発生しており、知財保護を強化する必要性が増加
これらの背景を踏まえ、不正競争防止法に「刑事上・民事上の保護範囲の拡大」「罰則の強化等による抑止力の向上」「民事救済の実効性の向上」といった改正が盛り込まれた。
不正競争防止法は1934年の制定以降、知財の概念の変化や不正な取得、開示、利用などの事案を踏まえて20回以上改正されてきた。そのため内容は複雑だ。本稿では企業のIT部門が最低限理解すべきこととして、不正競争防止法による法的保護を受けるための最低限の水準(以下、法的保護レベル)について解説する。
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