5Gの中心はIoT通信、「標準」をどう作るか:次世代モバイル通信の構成要素は?(1/2 ページ)
第5世代移動通信(5G)に求められるのは高速性と高信頼性、機械間通信の3つだ。「セルラーIoT(C-IoT)」はこれら全てのシナリオで使用されるだろう。そして、その接続の大半は機械間通信になるはずだ。
第5世代移動通信(5G)の使用シナリオは3つあるというのが、ITU(国際電気通信連合)共通の見解だ。そのシナリオとは「高度モバイルブロードバンド」「非常に信頼性が高く遅延時間の短い通信」「大量機械型通信」の3つだ。恐らく「セルラーIoT(C-IoT)」はこれら全てのシナリオで使用され、その接続の大半が大量機械型通信に分類される。
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大量機械型通信のユースケースの特徴として挙げられるのが「遅延の影響を受けない比較的少量のデータを転送することを主とし、非常に大量使用される接続型デバイス」である。こうしたデバイスに求められるのは、価格の安さと5年以上にも及ぶ非常に長いバッテリー持続時間だ。
今後は、現在予測されていない新しいユースケースが誕生していくことになるだろう。これからのIMT(International Mobile Telecommunication)開発では、多岐にわたる要件が課せられる新しいユースケースに適応することが必要になってくる。
ITUは、最新の5G研究と開発活動を、モバイルブロードバンド通信の国際標準「IMT-2020」に盛り込むため、政府、ネットワーク事業者、機器メーカー、国や地域の標準化機関と密に連携し続けている。
こうしたユースケースのニーズは非常に幅広い。だが、1つ共通しているのは「標準化が必要」ということだ。C-IoTの標準化を推進しているのが、特にRelease 13〜15に重点を置いて機械型通信の標準確立に取り組み続けている3GPP(3rd Generation Partnership Project)だ。3GPPはIMT-2020において重要な役割を果たしており、IMT-2020に向けてこれらの新しい5Gテクノロジーソリューションを開発するためのプログラムを、2015年初めから進めている(2015年9月に最初の会合である「RAN 5G Workshop」を開催した)。
3GPPによる5G標準化への取り組みはLTEからLTE-Advanced Proまでを基盤としており、LTE-Advanced Proの標準化は5G標準の開発と並行して行われている。
C-IoTとNB-IoT(ナローバンドIoT)は、3GPPがRelease 13で採用したいわゆる「まっさらな」アプローチだ。急伸を遂げるIoTサービス市場で接続を提供するという点で、LPWA(Low Power Wide Area)分野と競合する。C-IoTに関する技術レポート「45.820」の要件は以下の通りだ。
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