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外観、触り心地、カメラが洗練された新スマートフォン「HUAWEI P10/P10 Plus」の実力は?ライカ「Dual-Camera 2.0」の威力やいかに

Huawei Technologiesの「HUAWEI P10/P10 Plus」は、前モデルの「HUAWEI P9」からどのような進化を遂げたのだろうか。実機ハンズオンレポートを紹介する。

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HUAWEI P10
HUAWEI P10《クリックで拡大》

 Huawei Technologiesは、スペインのバルセロナで2014年2月末から3月上旬にかけて開催された「Mobile World Congress 2017」で、同社の新しいAndroidスマートフォンである5.1型の「HUAWEI P10」と5.5型の「HUAWEI P10 Plus」を発表した。この見本市では、これらの2台の魅力的なデバイスを実際に操作する機会に恵まれたので、その感想をお伝えする。

HUAWEI P10のプレビュー

 HUAWEI P10は、2016年に公開され好評を博している前モデルの「HUAWEI P9」から買い換えるのに値する十分な改善がなされている。

 基本設計は前モデルと同じだが、外観と質感はさらにモダンな仕上がりになっている。金属製の一体ボディーのフレームは一層丸みを帯び、前面に施されたCorningの「Gorilla Glass 5」の層と、2.5Dガラスの効果は前モデルよりもさらに強調されている。また実物は写真で見るよりも美しい。

 HUAWEI P10は手によくなじむ。Appleの「iPhone」を初めて手にしたときと同じくらい、触り心地は非常に良い。HUAWEI P10は堅牢であるだけでなく、軽量、薄型、コンパクトだ。それから、滑らかなディスプレイ、滑らかな縁、背面には指紋が付着しにくい。

 背面上部には、カメラが配置されているおなじみのガラス部分が依然として存在するが、プラスチック製のアンテナラインは上部と下部に配置され、よりはっきりと区別されている。

HUAWEI P10のディスプレイ

HUAWEI P10_2
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 HUAWEI P10のIPSディスプレイもフルHD(1080x1920ピクセル)で、432ppiという高いピクセル密度を誇っている。鮮明さ、コントラストおよび彩度に関してディスプレイの色合いは傑出しており、その点ではまさに「主力級の仕様を提供する」というHUAWAIの主張の通りだ。

HUAWEI P10のパフォーマンス

 HUAWEI P10には、HiSiliconの「Kirin 960」が搭載されている。Kirin 960は、2.4GHzで動作するARMの「Cortex-A73」4基と1.8GHzで動作する「Cortex-A53」4基で構成されている。また、GPU「Mali-G71 MP8」、4GBのRAM、32、64、128GBの内蔵ストレージを搭載している。

 HUAWEI P10では、Googleの「Android OS 7.0(Nougat)」とHUAWEI独自のユーザーインタフェースである「EMUI 5.1」が採用されている。最新の「Android 7.1.1」が搭載されてないのがやや残念だ。

 本格的なパフォーマンステストとベンチマークを行うには、完全版のレビューを待つ必要があるだろう。

HUAWEI P10のカメラ

ダブルレンズカメラ
HUAWEI P10のダブルレンズカメラ《クリックで拡大》

 背面にあるダブルレンズカメラはHUAWAIの「HUAWEI Mate 9」と同じものが搭載されている。「Leica Dual-Camera 2.0」は、光学式手振れ補正に対応した1200万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーで構成されている。F値は2.2で、レーザーオートフォーカスと2つのレンズを組み合わせたハイブリッドズームをサポートしている。それから、撮影後に、F値、ピントおよび明るさを調整することも可能だ。ポートレートモードは特に改良され、HUAWEIでおなじみの「ビューティーモード」と、ぼけ効果も利用できるようになった。ただし、ライブプレビューはサポートされていない。

 こうした機能をもってしても、現在入手可能な競合他社のスマートフォンに搭載された最高品質のカメラには及ばない。とはいえ、カラーセンサーとモノクロセンサーを組み合わせたレンズにより、写真の仕上がりは平均以上になっている。さらに、創造性に関しては並外れた可能性を秘めており、他のどのスマートフォンよりも優れているかもしれない。

 前面カメラには、さらに興味深い改善点が見られる。前面カメラは、F値が1.9で800万画素のセンサーを搭載している。ライブプレビュー機能が使えるポートレートモードと、カメラが1つしかないにもかかわらず、ぼけ効果も利用できる。

HUAWEI P10の結論

 HUAWEI P10のデザイナーは、前モデルで高く評価された「外観」「触り心地」「カメラ」にさらに注力している。そのため、HUAWEI P10は市場でさらなる成功を収める可能性が高いだろう。

HUAWEI P10 Plusのプレビュー

HUAWEI P10 Plus
HUAWEI P10 Plus《クリックで拡大》

 少なくとも仕様においては、HUAWEI P9と新モデルのHUAWEI P10はどちらも競合企業の主力スマートフォンに及ばない。だが、これらのモデルは、手ごろな価格でハイエンドな体験を提供することを目的に作られている。これが市場でHUAWEI P9の成功を大きく後押しした要因だ。とは言うものの、新たに公開された5.5型モデルのHUAWEI P10 Plusは確実に正真正銘の主力モデルに近づいている。HUAWEI P10よりディスプレイが大きく、背面のダブルレンズカメラも優れている。それから、メモリストレージの容量も多く、バッテリーの持続時間も長い。

 HUAWEI P10 Plusの持ち心地は素晴らしく、HUAWEI P10と同様の優れた仕上がりになっている。大変興味深いことに、HUAWEI P10よりも高さと幅があるにもかかわらず、薄さはそのままの6.98ミリだ。

HUAWEI P10 Plusのディスプレイ


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 HUAWEI P10 Plusの解像度はQHD(1440×2560ピクセル)で、5.5型ディスプレイのためピクセル密度は534ppiとなっている。これは、主力スマートフォンに期待する特徴である。HUAWEI P10 Plusには全モデルの「HUAWAI P9 Plus」に搭載されていたAMOLEDディスプレイが非搭載である。ただし、IPS方式のパネルが採用されているため視野角は広い。また、鮮やかな画像、コントラストの安定性および素晴らしい鮮明さを実現していることにも言及しておきたい。TechTargetの予備調査では、HUAWEI P10と比較して本当に優れているのは、大きさだけという結果になっている。

HUAWEI P10 Plusのパフォーマンス

 Kirin 960オクタコアプロセッサが搭載されているのはHUAWEI P10と同様だが、HUAWEI P10 Plusには3種類の構成が用意されている。4 GBのRAMと64 GBの内蔵ストレージ、6 GBのRAMと128 GBの内蔵ストレージ、6 GBのRAMと256 GBの内蔵ストレージの組み合わせだ。

 また、LTEアンテナが4本あることから、比較的高速な4G LTEをサポートしていることが分かる。

 それからHUAWEI P10 Plusのバッテリー容量が3750mAhで、HUAWEI P10のバッテリー容量が3200mAhであることから、前者の方がバッテリーの持続時間が長いと予測するのが適切だろう。

 興味深いことに、どちらもハイブリッドデュアルSIMに対応している。Appleに端を発する傾向をよそに、HUAWEI P10 Plusには前モデルと同様に3.5ミリのオーディオ端子が搭載されている。

HUAWEI P10 Plusのカメラ


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 HUAWEI P10と比較して明らかに優れているのは、背面に配置されている「Leica Dual-Camera 2.0 Pro Edition」だ。ダブルレンズカメラの解像度はHUAWEI P10と同じで、1200万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーが搭載されている。F値が1.8のレンズにより、さらに多くの光がセンサーに届く。見本市に来ていた聴衆の写真を撮ろうとしたところ、すぐにその効果を実感できた。色はより明るくきれいで露出も適切で、色が鮮やかだった。なお、前面カメラの性能はHUAWEI P10と同じだ。

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