AWS、Azure、Googleなどがサポート
主要クラウドが提供する「GPUインスタンス」、本気を引き出す高負荷アプリとは?
AWS、Azure、Googleなどのパブリッククラウドは、高性能なコンピューティングリソースを集中的に提供する「GPUインスタンス」を用意している。そのメリットを享受できるアプリとは?
大手クラウドプロバイダーは、市場シェアの争奪戦を繰り広げながら提供するクラウドインスタンスの種類を拡大してきた。その流れの1つとして、ユーザーは、GPU(グラフィックスプロセッシングユニット)にアクセス可能なインスタンスをデプロイできるようになった。これは、特にAI(人工知能)などコンピューティングリソースを集中的に使用するワークロードにメリットがある。
今、大手クラウドプロバイダーによるGPUインスタンスを巡る競争がヒートアップし始めている。Microsoftの「Microsoft Azure」は、2016年12月にNVIDIAのGPUを搭載した「Nシリーズ」の仮想マシンを公開している。Amazonも、2016年9月に「Amazon EC2 (Elastic Cloud Compute) P2」インスタンスの新しい種類を公開したが、これにもNVIDIAのGPUを組み込んでいる。Googleでは、2017年2月に「Google Compute Engine」と「Cloud Machine Learning」でNVIDIAのGPUインスタンスをサポートすると発表している。
このようなGPUインスタンスをデプロイする前に、GPUインスタンスを使用するのが最適なアプリケーションとワークロードの種類を理解することが重要だ。このようなワークロードには、次のようなものがある。
ビジネス向けの分析アプリケーション
ビジネス向けの分析アプリケーションは、大規模な並列演算を行うGPUのメリットを享受できる。Hadoopのようなアプリケーションで、一連のエンジンにマップできるデータ処理を伴うものが最も適しているだろう。パブリッククラウドは従量課金制で、クラウドバーストによって変動するワークロードに対処できる。
このような機能は、小売業界で重要だ。小売業界では、ユーザーが分析結果を数分以内に必要としており、ワークロード需要のピークが異なるタイミングで発生する。
映像制作
映像製作では、大量のレンダリングとリアルタイムの編集が必要になるため、GPUインスタンスのメリットを享受できる。
人工知能(AI)
AIはまだ初期の段階にあるが、GPUにアクセスできるようにすると、高額な出費を伴うことなく、スケーラビリティのテスト方法を提供できる。これがAIスタートアップ企業の成長を促進し、ヘルスケアやバイオテクノロジーなどの業界から、軍事利用、自動運転車両に至るまで、さまざまなところに新しいAIを利用できる機会を開くことになる。
仮想デスクトップインフラ(VDI)
GPUインスタンスはVDIも後押しできる。例えば、Googleは、将来的にAMDのGPU「AMD FirePro」が利用できるようになることを発表している。これは、Google Compute EngineでVDIの高いパフォーマンスを実現するためだ。
スーパーコンピューティング
高パフォーマンスコンピューティングクラウドによって、小規模な科学機関でもスーパーコンピューティングを使用できるようになった。スーパーコンピューティングは調査や研究の速度を大幅に加速できる。GPUインスタンスは、スーパーコンピューティングを大学の学部レベルでも使用できるようにし、それが学術研究に恩恵をもたらすだろう。
エンジニアリングシミュレーション
石油産業、ガス産業、自動車業界で使用しているエンジニアリングシミュレーションは、クラウドベースのGPUインスタンスによる影響を受けるだろう。自動車メーカーは、時間のかかるエンジニアリングシミュレーションに大きく依存している。だが、GPUインスタンスは、携帯型の処理クラスタの必要性を排除し、分析コストを削減する。そして一般的に調査や研究の速度を加速するだろう。
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