深層学習が引き出す非構造化データの“暗黒面”の力とは?:コンサルティングファームのDeloitteがレポート
コンサルティング企業のDeloitteが新しく公開したレポートによると、非構造化データとその他のいわゆる「ダークデータ」を分析することで、大きなビジネス価値を得られる可能性があるという。
かつてダース・ベイダーは、「暗黒面(ダークサイド)のパワーはすばらしいぞ」と言った。
これは、Deloitteからのメッセージと同じだ。Deloitteが新しく公開したレポート「Dark analytics:Illuminating opportunities hidden within unstructured data(ダークデータ分析:非構造化データに潜むチャンスを解明する)」では、ダークデータ分析に関する宇宙規模の戦いのドラマが描かれているわけではないが、一部の企業にとっては依然として未知の領域である分析手法によって相当な利益を得るためのヒントが提示されている。
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話題となっているのは、深層学習の手法を使用した非構造化データの分析だ。索引が作成されていないWebサーバでホストされているフリーテキスト、画像、音声、動画ファイル、研究論文などデータには、相当量のインテリジェンスが含まれている。しかし、2017年のテクノロジートレンドに関してより広い範囲を扱ったレポートに含まれる同レポートよると、従来、こうしたダークデータに対する企業の可視性は限られていたという。
ただし、それはもはや大手企業には当てはまらないことで、近いうちに標準的な企業も同じようになるだろう。そう語るのは、レポートの共著者であり、Deloitteグループが提供するコンサルティングサービスDeloitte Analyticsの責任者を務めるポール・ローマ氏だ。
ダークデータに光を当てるとき
「非構造化データの概念とダークデータに注目するときが来た。ダークデータにアクセスして掘り下げて、意思決定に利用することが主流になり、それが最低条件になりつつある」とローマ氏は指摘する。
現在、企業は、全ての種類のダークデータに同じようにアクセスできるわけではない。ローマ氏によると、テキストファイルが最も分析しやすいという。テキストファイルの高度な感情分析を実行できる豊富なAPIサービスが、Microsoft、IBM、Googleなどの企業から提供されている。次いで分析しやすいのが、音声ファイルだ。その理由は、転写ソフトウェアを使用すると、分析に使えるテキストファイルを簡単に提供できることにある。
現時点では、画像と動画の分析は、まだ実現していないとローマ氏は言う。しかし、急速な成長は遂げている。画像認識アルゴリズムでは、急速に人間と同じレベルの認識機能を実現している。あとは、このような非構造化データ分析を活用するビジネスケースを見つけるだけだ。
「これらのテクノロジーを利用するためにかかる費用と時間は、以前と比較して格段に少なくなっている」(ローマ氏)
メリットを享受しやすくするためのAPIサービス
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