SANやNASとどう違う?
いまさら聞けないオブジェクトストレージ入門
オブジェクトストレージとは何か。オブジェクトストレージの特徴とメリット/デメリットをSANやNASと比較しながら解説する。
本稿ではファイルとブロックの基礎を要約する。ただし、その目的はオブジェクトストレージの特徴に注目するためだ。その特徴の全ては共有ストレージの形式にある。本稿の最後に、オブジェクトストレージ、ファイル、ブロックに最も適したユースケースを紹介する。
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本稿のきっかけとなったのは、オブジェクトストレージの登場だ。オブジェクトストレージは、アレイ型製品としてその名が知られるようになり、「Amazon S3」といったクラウドストレージのプロトコルの基礎にもなっている。
オブジェクトストレージがSANやNASのプロトコルとは大きく異なる理由を知るために、まずはそれぞれの概要を見てみる。
ファイルとブロックは、ファイルシステムを基盤としてストレージにアクセスする手法だ。どちらの場合もファイルシステムが存在する。よく知られるファイルシステムには、Windowsの「FAT」や「NTFS」、Linuxの「ext」などがある。ファイルシステムは、データをツリー階層のファイルとフォルダに編成し、そのファイルへのパスを提供する。同時にそのファイルに関する少量のメタデータも保持する。
これは目に見える部分だ。内部では、このファイルパスとファイルシステムがメディア自体でストレージブロックの物理的なアドレス指定も処理する。
ファイルアクセス(NAS)とブロックアクセス(SAN)の大きな違いは、NASではファイルシステムがアレイ内にあることだ。NASの場合、アプリケーションのI/O要求はNASハードウェアに常駐するファイルシステム経由で送られ、ボリュームやドライブとしてアクセスされる。SANの場合、ファイルシステムはアレイ外にあり、I/O呼び出しはサーバ上のファイルシステムによって処理される。SANのデータへのアクセスに必要なのはブロックレベルの情報だけだ。
主な実質的相違点
この特徴によって、NASとSANの主な実質的相違点が浮かび上がる。
NASはファイル全体の保持とアクセスに最適で、ファイルが同時に変更されたり破損したりするのを防ぐロックシステムを持つ。
一方、SANはファイル内部のブロックを変更できるため、データベースやトランザクション処理に非常に適している。
通常、NASもSANもアレイ製品として販売されている。中にはソフトウェア定義の製品もある。またグレードによっては同期および非同期のレプリケーション、スナップショット、圧縮と重複排除、ストレージ階層化などの機能を備える場合もある。NASもSANもフラッシュストレージを利用できる。
SANとNASはどちらも優れているが、欠点もある。
例えばNASはスケーリングに制限がある。企業はこれまで部署にサービスを提供するためにNASにデータを保存してきたが、データが急増し、相互に結び付いていなかったことからデータのサイロ化につながった。この問題に対処するのがスケールアウトNASだ。ここでは、NASの複数のインスタンスがスケーラビリティの高い単一の並列ファイルシステムとして動作する。
ツリー形式のファイルシステム階層は、数百万のファイルを非常に簡単に処理できるが、ファイル数が数十億になると動きが遅くなり始める。
圧倒的なスケーラビリティ
オブジェクトストレージは圧倒的なスケーラビリティを誇る。
続きはComputer Weekly日本語版 5月10日号にて
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