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「スマート農業」が“食の救世主”となる6つの根拠農業でのIoT活用が不可欠に

IoT(モノのインターネット)を農業に活用する「スマートファーミング」(スマート農業)は、安定的な食料供給を維持するための数少ない手段となり得る。

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「スマートファーミング」の可能性とは

 ネットワークを介して相互につながるIoT(モノのインターネット)デバイスが増加を続ければ、職場、労働者、経済全体に変化をもたらす。中でも注目すべきなのは、人間にとって最も大切なものの1つ、食料の生産にIoTをどう役立てるかだ。私の義理の父は、米国インディアナ州の田舎で農業を営んでいる。その義父との会話の中で、現在の農家にのしかかる重圧について学んだ。それは、以下のような重圧だ。

  • 水の確保
    • ある大手種苗会社は、農業での作物の成長に必要な水の確保に、多額な投資をしている。だが利用可能な水の量はどんどん減少している。農家は予測不可能な天候に左右され、かつ地下の帯水層(地下水を含む地層)は都市部との取り合いになっている
  • 土地
    • 作家マーク・トウェインは「土地を買え。これ以上増やせないのだから」と皮肉った。都市が無秩序に拡大するスプロール現象が続くと、地価は上昇を続ける。悲しいことに多くの農家が、分譲地としての土地の売却と、農地周辺への企業の参入に悩まされている。今土地を売らなければ、農地が民家やショッピングセンターに囲まれてしまう。そうなったら誰がその土地を購入したいだろうか
  • 政府と環境による規制
    • 連邦政府や他国政府によって、食料の生産方法に課せられる制約が増えている。農薬、遺伝子組み換え食品、土地管理、労働力、動物福祉など、その影響は多岐にわたる。最近では、消費者までもが自身の価値観を農家に押し付けるようになりつつある
  • 害虫対策
    • 人類は農業を始めた当初から、害虫の駆除と病害に頭を悩ませてきた。害虫駆除に用いる対策が、作物と消費者にとって安全であることを確かめるには、時間も費用もかかる
  • 収益の維持
    • あらゆる事業と同様、農家は価格が下落傾向、経費が上昇傾向にある市場で収益を維持することに苦戦している。
  • 収穫高の増加
    • 収穫高、より具体的には1エーカー当たりの生産量を改善することが重要になる。経費の上昇を相殺するだけでなく、狭くなる土地で栽培できる作物を増やすのに役立つからだ。

 平均的農家は、消費者からはそれほど敬意を払われていないようだ。それでも農家の多くは数百万ドル規模の事業を営み、それに伴う複雑さや課題を全て乗り越えてきている。

 農業界と個人農家はどちらも事業課題の克服のため、次第にテクノロジーに頼らなければならなくなっている。ここで鍵を握るのがIoTだ。ネットワークにつながるIoTデバイスを、米国数百万の農家が実装するようになっている。

 冒頭に挙げた課題の一覧を見ると、IoTをはじめとするITを農業に応用した「スマートファーミング」(スマート農業)は、これら全ての項目に役立つと考えられる。

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