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インダストリー4.0に乗り遅れたくない製造業が注目すべき「OPC UA」とはレガシー機能と次世代工場自動化機能との理想的な架け橋

産業用IoT(IIoT)という名の新たなイノベーションは、製造業者に大きなインパクトを与える可能性がある。IIoTに関する課題を解決する「OPC UA」とは。

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IoT(Internet of Things)


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AccentureはIIoTが2030年までに14兆2000万ドルの経済効果をもたらすと予測している(画像はAccentureのWebサイト)《クリックで拡大》

 Accentureによると、世界経済は産業用IoT(IIoT)によって2030年までに14兆2000万ドルもの追加成長が見込まれているという。だが、IIoTテクノロジーが利用できるようになっても、組織内にそれらを効果的に当てはめ、テクノロジーの可能性を最大限に引き出すところまで至っていない。製造業界の多くの経営幹部にとって、「IoT」「スマートファクトリー」「クラウドにおけるインテリジェンス」は、いつか業界の在り方を変えるだろうという非現実的な流行語にすぎない。

 残念ながら、物事の真っただ中にいるときは、既存の製造環境において何が現実的で実現可能かを踏まえて考えることは難しい。結局のところ、自動化団体は30年以上にわたって相互運用性規格を追及し続けている。しかし、OPC Foundation(OPCF)の「OPC UA(OPC Unified Architecture)」により、サプライヤーはついに製造アプリケーション向けIIoTの可能性を実現できるようになる。

製造業界の将来

 テクノロジーは急速に変化しているが、製造業者の目標が同じように変化するとは考えられない。製造業者の目標は今も変わらず、生産性と利益を上げながら質の高い製品を顧客に提供して満足してもらうことにある。しかし、ここに来てこれまでに例のない新しいイノベーションが始まった。このイノベーションは、製造業者が目標を実現する上で、運用レベルのあらゆる側面に影響する可能性がある。工場において、オープンなIoTプロトコルを使用するスマート接続型のデバイスが急速に浸透している。同時に、インダストリー4.0のトレンドは、工場の自動化をより効率的かつ効果的に行うために、人、接続型デバイスおよび人工知能(AI)がどのように連動すべきかを示している。競争力を維持するためにも、迅速に適応しなければならない。

レガシーシステムのアップグレード

 経営幹部レベルの意思決定者1400人以上を対象とした調査では、回答者の84%が、IIoTによって自社が新たな収益源を生み出すことができると考えている。一方、73%の回答者は、まだ自社が具体的な進化を遂げていないことを認めている。

 現在、製造環境の多くは、1990年代後半に登場したSCADA、PCL、OPCなどのレガシーテクノロジーにけん引されている。だが、技術分野の急速な変化により、製造業者は、大きなメリットを生み出す新しいテクノロジーの影響を理解して、こうしたテクノロジーを活用する準備を整える必要があることを痛感している。

 しかし、テクノロジーの進化にはコストが付き物だ。慌てて工場のレガシー自動化インフラを全て捨ててしまわないように注意が必要だ。いきなり工場全体に最新のIIoTセンサーテクノロジーを導入するのは、非現実的かつ不要なことかもしれない。まずは、将来的なスマートファクトリーへの移行に向けて、確実な道筋を提供するテクノロジーを検討すべきだ。

IIoTへの移行

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