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財務担当者が震え上がるクラウド料金払い過ぎ問題なぜ料金が6倍に?

クラウドの料金体系は複雑化し、一方で各担当者は自分の担当分しか把握できない。全体を誰も把握しないまま、クラウド使用料は膨れ上がる。また、ちょっとしたミスが驚くべき請求額をもたらすことになる。

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 多くの組織がパブリッククラウドに予算を割り当てているが、毎月どれだけ支払っているのかを認識している人はほとんどいない。

 クラウド最適化サービス企業Densifyが200社を対象に実施した調査の結果が明らかになった。その報告書には、ほとんどの企業はパブリッククラウドへのニーズを満たすため「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」を利用しているが、毎月の支出額を把握していない企業が25%を超えるという記述がある。

 一般的に、企業はIT部門の予算を年単位で確定させるが、パブリッククラウドサービスサプライヤーは料金を月単位で請求し、その料金体系を定期的に変更する傾向にある。IT部門がクラウドの利用状況を詳細に調べなければ、必要分をはるかに上回る額を支払う羽目になるかもしれない。

 パブリッククラウドサービスは多くの場合、クラウドインスタンスの設定やストレージ、ネットワーク、メモリ、CPUの使用量をユーザー企業のIT管理者が追跡するツールを提供している。ただし、クラウドサービスの調達方法が現状のままだとすれば、個々のユーザーがそうした測定値を把握するのは困難だ。

 Densifyによると、AWSやその他のパブリッククラウドのアカウントを複数取得して、それらを1つのマスターアカウントにまとめる方式を取っている企業が多い。言い換えると、クラウドサービスの利用料金の支払いに携わる人物でも、その金額が請求される理由をほとんど理解していないことになるとDensifyは指摘する。

 メインアカウントからクラウドサービスの一部を取得している社内ユーザーは、手元のクラウドインスタンスに必要な要件しか把握していない。社内アプリケーションでは、ストレージ、CPU、メモリの使い方を他の部門と比べた場合に、独自のパターンが必要になる可能性もある。

 つまり全社レベルで言うと、クラウドインスタンスの運用に結局どれだけ支払っているのかを全く把握していない可能性があるとDensifyは話す。実際同社は、回答者企業の35%が、クラウドに支払う費用について予算超過になっていることを認めたと報告している。

大半の企業は払い過ぎ

 Densifyのヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)地域担当バイスプレジデントであるアイマン・ガバリン氏は、次のように語る。「ほとんどの企業は料金を払い過ぎているが、その理由はクラウドの管理が不十分であるか、管理性に乏しい環境を利用しているためだ。われわれが話を聞いた顧客は、ほとんど全てのケースで予算は割り当てられていたが、費用が急激に膨れ上がり予算が追い付かなくなったという経過をたどっていた」

 「最近当社のサービスに加入したある顧客は、非常に大規模なデパートで、クラウド利用のために毎月12万ドル(約1300万円)の予算を設定していた。6カ月もたたないうちに、この顧客のクラウド利用料金は月額80万ドル(約8700万円)に達した。われわれはこのところずっと、このような例ばかり目にしている。残念なことにほとんどの場合、クラウドユーザー企業はサプライヤーに請求されるままに料金を支払い続けている。それが普通だと思っているからだ」

 この調査ではまた、回答者企業の約4分の1はクラウドの利用状況や費用について監査を実施していない(または「実施しているかどうか不明」)という回答を寄せたことも判明した。さらにはインフラのニーズを最適化するために何らかの自動化ツールを使用している企業はわずか20%だった。

 「ほとんどの企業において、社内の勢力均衡問題が発生している」と話すのは、DensifyのCMO(最高マーケティング責任者)、ヤマ・ハビブザイ氏だ。「クラウドでアプリケーションを実行する業務の担当者は絶えず、『もっと予算が欲しい』と言って、予算管理の担当者のところに来る。実務の担当者にとっては、アプリケーションの実行こそが担当業務の中核になるからだ。

 アプリケーションに問題が発生すると、どんな問題でも事業運営の機能に直接影響が表れる。そして財務部門は、クラウドの利用料金を支払い続けることに限界を感じている。財務部門の担当者は、必ずしもコストを管理するための利用法やテクノロジーを理解しているとは限らない。従って、費用を節減する方法を探す方向で、双方の部門が折り合えるとはとても思えない。こうして支出は増え続けるが、その一方でDevOpsチームが費用を節約する方法を探そうとしている様子は見られない」

 クラウドの使用状況を追跡することに苦戦している組織は多い。例えば、英レディング大学はAzureを試用していた。そしてある学部が仮想マシンを終了せずに週末放置して、大変な事態を招いた。




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