ビットコインのセキュリティを確保するには?:ウォレットの管理が鍵
ビットコインの価値の着実な上昇に伴い、暗号通貨の取引所やウォレットへのサイバー攻撃も増加してきている。ビットコインのセキュリティを確保する方法を解説する。
従業員の1人が最近、ビットコインのセキュリティを確保する最良の方法を尋ねてきた。どうすればセキュリティを確保できるか分からない。ビットコインのセキュリティ確保に関してアドバイスが欲しい、と。
ビットコインを受け付けるように支払いシステムを急いでアップグレードする差し迫った必要はないが、特にオンラインでビジネスを行う企業や、オンラインゲームまたはサブスクリプションなどのデジタル製品やサービスを販売する企業にとっては、ビットコインの利用状況に注意を払っておく価値はある。
暗号通貨は既に普及していると考えられる。中国など幾つかの国はその利用を禁止しているが、米国を含む多くの国はその存在に寛容な姿勢を取っている。ビットコインによる製品やサービスへの支払いを受け付け始めた大手企業もあるが、ビットコインの価値が最近変動したことでValveやStripeなど幾つかの企業は暗号通貨のサポートを取りやめた。
それでも、多くの企業はビットコインやその他の暗号通貨の受け付けを継続している。業者にとってのメリットの1つとしては、クレジットカード会社であれば2〜3%の取引手数料を課すことが多い中で、ビットコインでは一般的に取引手数料がそれよりも低い、という点が挙げられる。ビットコインで支払いをする顧客にとっての1番のメリットは、なりすまし犯罪に使用され得るデータが残らないことだ。
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ビットコインのセキュリティを確保するには
経済面でのメリットに加えて、セキュリティを確保しビットコインの盗難を防ぐさまざまな要素が存在する。 暗号理論が暗号通貨の作成や移動を制御するため、ビットコインの根底にあるプロトコル(通信規約)は明らかに堅牢だ。ビットコインが ブロックチェーンという分散型台帳を利用していることで暗号通貨の所有者は全てのトランザクション(取引)記録を残すことができ、致命的な単一障害点が存在しないため、取引記録を改ざんすることはできない。
しかし、それでもビットコイン取引所の脆弱性、または、ビットコインをコンピュータまたはスマートフォン上に保存するためのソフトウェアであるウォレットの脆弱性を突いたハッカーによるエクスプロイト攻撃を防ぎ切れてはいない。ビットコインの取引所は政府によって管理されてはおらず、一般に、ビットコインを保存するための十分な保証やセキュリティが銀行でお金を保存するのと同様の方法で提供されているわけではない。
例えば、ビットコイン取引所である Mt. GoxやFlexcoinにそれぞれ別々のハッカーが攻撃を仕掛け、数十万のビットコインを盗んだという報道があった後に、それらの取引所は閉鎖された。
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