AIのような新機能も大事だが……
アプリケーションパフォーマンス監視(APM)の比較で着目すべき3つの機能(1/2 ページ)
アプリケーションパフォーマンス監視(APM)市場で注目に値するベンダーを比較・評価する際、AI(人工知能)のような新しい機能だけでなく、監視、レポート、分析機能の点からも検討する必要がある。
アプリケーションパフォーマンス監視(APM)の適切なベンダーを見つけるのは難しくなる可能性がある。ベンダーが提供する機能についての長いリストを考慮しながら比較対照すると、大変な労力がかかると感じるだろう。APMソフトウェアの場合はもっと簡単に比較できる。監視、レポート、分析という3つの主要機能を評価すればよい。
本稿では以下の製品についても解説する。
- Datadog
- Nagios
- Stackify
- Sensu
- Dynatrace
- Pingdom
- LogicMonitor
- Splunk
- Grafana
- AppDynamics
- New Relic
1.監視
監視は、全ての単一APMプラットフォームの中核を成す機能なので、多くの形式で利用できる。ただし各プラットフォームがサポートする監視の種類は、それぞれ大きく異なる可能性があり、プラットフォームがターゲットとする市場にも左右される。
基本的なサーバ監視とメトリクス
サーバはアプリケーション開発における数少ない普遍的要件の1つだ。そのためサーバ監視は全てのAPMプロバイダーにとって不可欠な機能になる。結果として、基本的なサーバ監視とメトリクスを用意していないAPMソフトウェアを見つけるのは容易ではない。この機能では特に、ベンダーによるサーバ監視の実装方法に特別な注意を払うことが重要になる。つまりデザインや使いやすさといった要素を考慮する。それにより、組織にどのような影響を及ぼす可能性があるかを判断する。
「Datadog」のようなプラットフォームは非常に洗練されたUI(ユーザーインタフェース)を用意している。これはあらゆる規模のチームにうってつけだ。ただし、インフラの規模によってはコストが高くつく可能性がある。一方、「Nagios」のようなOSS(オープンソースソフトウェア)は構成可能かどうかに大きな重点を置く。また、そのセルフホスト型の性質のおかげで価格的にはずっと手頃になる。各プラットフォームの基本的なサーバ監視サービスの違いは微妙に見えるかもしれない。だが実のところ、チームが特定のプラットフォームを扱う方法にこうした細部が直接影響する。
リアルユーザーモニタリング
全てのアプリケーションには実行元になるサーバが必要だが、全てのアプリケーションにユーザーがいるわけではない。リアルユーザーモニタリング(RUM)は受動型監視の一種だ。ユーザーがアプリケーションに対して取った全行動を、クライアント側とサーバ側の両方のメトリクスを使用して追跡/分析する。Webアプリケーションの場合、これは次のようなことを意味する。RUMは、ユーザーがアクセスした全ページとユーザーがクリックした全ボタンを追跡して集計する。これにより、スタック全体で全ての行動の影響を特定できる。基盤となるAPMソフトウェアの機能によって、ネットワーク要求の速度から基本的なデータベースクエリの効率まで、あらゆる対象の追跡が可能になる。
その性質から、RUMはユーザー中心のアプリケーション監視に特に重点を置くAPMプロバイダーが提供していることが多い。通常はモバイルアプリケーションとWebアプリケーションの形を取る。例えば「Stackify」はWebアプリケーションRUMに注力している。一方、New RelicのソフトウェアはWebとモバイル両方のユーザー監視を提供する。「Sensu」など、その他のベンダーはサーバ側の監視を対象としており、クライアント側のRUM機能は提供していない。
Webパフォーマンス監視
Webパフォーマンス監視は拡張的な側面で、RUMと併せて利用できることが多い。運用アプリケーションではJavaScriptフレームワークの利用が増加し続けている。またアプリケーション開発者は、Webブラウザベースのビジネスロジックを実装するためにそうしたフレームワークを利用する傾向がある。こうしたことから、アプリケーションの変更によってユーザーのWebブラウザ内に生じかねないパフォーマンスの影響を把握することがこれまで以上に重要になる。これはRUMと結び付けられることが多いが、Webパフォーマンス監視はWebブラウザ内で利用できるメトリクスのパフォーマンス面を特に重視する。ユーザーの満足度を徹底的に分析するのではない。
一般的な法則として、WebベースのRUMを提供するAPMプロバイダーはWebベースのパフォーマンス監視も提供する傾向にある。例えば、DynatraceのAPMツールはWebブラウザベースの監視を使用してJavaScriptのエラーメッセージを特定する。また、全ての要求に関わるWebブラウザの遅延も追跡する。Web向けのコンポーネントを用意しているアプリケーションは非常に多い。そのためWebパフォーマンス監視は組織の規模を問わず価値ある洞察をもたらすことができる。組織規模が問題にならないとはいえ、慎重に構成しなければアプリケーションが受け取るトラフィック量がボトルネックになる可能性がある。その点に注意が必要だ。トラフィック量の多いアプリケーションでは大量の情報が生成される。また、Webブラウザのバージョンが変わりやすいことにより、これらのアプリケーションではWebアプリケーションのパフォーマンスメトリクスが一般化され過ぎることがある。
合成監視
RUMとWebパフォーマンス監視は実際のアプリケーション使用を追跡する。一方、合成監視(Synthetic Monitoring)では一般的なアプリケーション使用を追跡する。つまり、アクティブユーザーの動作を追跡するのではなく、前もって設定された動作を使用して監視データの変化を特定する。これは、実際のユーザーで問題が発生する前に、潜在的な問題を特定するのに役立つ可能性がある。
対象を絞った合成監視の好例となるのがSolarWindsの「Pingdom」だ。このAPMツールには、Webサイトのパフォーマンスと可用性をアプリケーションのネットワーク外から継続的に監視するためのツールが備わっている。Pingdomはどの規模のWebアプリケーションにも最適なプラットフォームとなる。ただし、価格が手頃で、クライアント側をターゲットにする機能セットがあるため、比較的小規模なアプリケーションにうってつけだ。これに対し、より堅牢なAPMプラットフォームでは、従来のサーバ側の監視と分析をベースにして合成監視を追加機能として提供する。このようなプラットフォームには「LogicMonitor」などがある。
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