IT管理者は楽になるか
Apple「iOS 12」の光がまだ当たっていない管理機能、その強化点は?
Appleが2018年6月に開催した「Worldwide Developer Conference」(WWDC)の発表の中から、「Apple Business Manager」など、あまり光が当てられていないエンタープライズ管理機能を紹介する。
Appleが法人市場への進出を深める中で、「iOS 12」はAppleエンタープライズデバイスの管理負担を軽減してくれるかもしれない。
同社はまた、Appleエンタープライズデバイスの管理を支援するITプロフェッショナル向け新プログラム「Business Manager」をリリースした。これは「Apple School Manager」のエンタープライズ版という位置付けで、両製品とも共通して以下のような機能を備えている。
- アカウントやアプリ、書籍、デバイスの管理
- 管理されたApple IDの作成ができる管理者向け機能
- アプリと書籍の購入エクスペリエンスの合理化
- 柔軟なライセンス管理
- デフォルトのモバイルデバイス管理(MDM)サーバを指定できる機能
ただ、Apple School Managerと違って、Apple Business ManagerではIT部門が従業員のApple IDを指定することはできない。Apple Business Managerは、サードパーティーエンタープライズモバイル管理プロバイダーが提供する多くの機能やリアルタイムのアップデート機能の代替にはなりそうにない。だが、「Apple Device Enrollment Program」や「Volume Purchase Program」の代替としては有効かもしれない。
IT部門がBusiness Managerでデバイスを登録すれば、MDMプラットフォームを使ったポリシーや機能の割り当て、管理といった、Appleエンタープライズデバイス管理の作業をこなすことができる。
Appleエンタープライズデバイス管理のセキュリティ対策
Appleは、2018年9月にリリース予定のiOS 12で一部のセキュリティ機能を強化する。これはエンタープライズユーザーにとっても恩恵がある。例えばWebブラウザ「Safari」の「Intelligent Tracking Prevention」機能では、サードパーティーの広告主によるcookieを通じたユーザーデータの取得に制限がかかる。Safariではさらに、ユーザーの「いいね」や共有パターンから引き出した個人を特定できる情報に広告業者がアクセスできないようにする。
AppleはITプロフェッショナルに対し、MDMツールにおけるAppleプッシュ通知のAPIを、効率性を高めたHTTP/2 APIに更新するよう呼び掛けている。この新APIでAppleは、モバイルアプリの反応時間を短縮してパフォーマンスの高速化を図っている。
iOS 12では、データが暗号化されるHTTPSを通じてWeb接続の安全を守る「App Transport Security」が必須になる。パスワードのセキュリティも強化され、「Password AutoFill」の管理やパスワードおよびWi-Fiの共有などに一層の制限がかけられる。IT部門は既にゲストネットワークを設定しているかもしれないが、こうした機能ではプライマリーネットワークを保護できる。AppleはユーザーがBluetooth制限に手を加えることも防止する。
以上、Worldwide Developers Conferenceのプレゼンテーション内容を簡単に紹介したが、Appleはプロファイル経由で設定したMicrosoft ExchangeアカウントについてOAuthを有効にする予定で、これによってID管理の取り組みがある程度柔軟になる。
iOS特有のもう1つのアップデートとして、「Configurator」では、iPhoneがロックされている時でもユーザーがUSBデバイスに接続できるようになる。Configuratorでは、これでデバイスを管理している際にプロファイルをインストールすることができるが、それをMDMに登録することはできない。
管理型ソフトウェアアップデート
「iOS 11.3」では、Appleエンタープライズデバイス管理用に、新しい管理型ソフトウェアアップデート機能が加わった。この機能では、ユーザーに新しいソフトウェアアップデートが通知されるまでの期間を90日まで先延ばしにできる。IT管理者が配信したいバージョン番号を指定することもできる。
こうした機能では、適切なトレーニングやテストを行って、IT部門がアップデートを適用したいと思った時にユーザーに表示させることが可能になる。「Managed Open In」も、Contacts APIの境界を尊重してマイナーな更新がかかった。
さらに、ホームスクリーンのレイアウトには、Webクリップを使用できる機能が追加された。管理機能の「Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions」も更新され、Exchangeのメールアカウントにサインオンするタイミングや暗号化をユーザーが選択できるようになった。
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