JavaやAcrobat Readerに脆弱性が潜む可能性も
スマートフォン全滅を引き起こすモバイル管理システムへの攻撃 EMMをどう守るか
EMMプラットフォームが絶対に安全だと考えているIT部門は多いが、必ずしもそうだとは限らない。EMMのセキュリティをあらゆる角度から万全にし、最新の脅威に備えるには。
マルウェアの進化に伴い、エンタープライズモビリティー管理(EMM)プラットフォームが脆弱(ぜいじゃく)になりつつある。IT担当者は自社のシステムを保護する方法を把握しなければならない。
ハッカーは一部のEMMプラットフォームへの侵入を可能にした。その例として2018年1月に、あるサイバーセキュリティ調査会社が、Samsung SDSのEMMにゼロデイ脆弱性を発見した。Samsung SDSはすぐに自社のプラットフォームにパッチを適用し、問題が大きくなるのを防いだ。しかし悪意のあるコードが「Samsung KNOX」コンテナを攻撃していたら、エンドユーザーのデバイスで多数の不正な操作が行われていた恐れがあった。
ほとんどのプロバイダーが提供する製品には、静的コード分析や脅威のエミュレーションなどのEMMセキュリティ機能が備わっている。ユーザーのデバイスに存在する悪意のあるアプリを検出し、それを削除するようユーザーに指示するEMMプラットフォームもある。ユーザーがその指示に従わなかったら、管理者がそのデバイスをEMMの登録から取り除き、企業リソースにそれ以上アクセスできないようにすることが可能だ。エンドポイントデバイスのデータを完全にワイプ(削除)することもできる。しかし十分なセキュリティ機能が備わっていないプロバイダーも数社存在する。
EMMセキュリティの強化方法
EMM最大のセキュリティリスクは自社の従業員と管理者だ。IT部門は、EMMコンソールで多要素認証(MFA)やシングルサインオン(SSO)などの手法を使用することで、こうした社内からの攻撃を阻止できる。SSOを採用すると、エンドユーザーはローカルログインを使用しなくなる。ローカルログインはエンドユーザーが退職した後も残り続けたり、別の職務に引き継がれたりすることがある。
IT部門がAIを利用すれば、悪意のある攻撃につながりかねない社内の行動パターンを先回りして予測することもできる。予防のためのツールや従業員への投資は欠かせない。AIを使用して大量の疑わしいデータを削除することで、IT部門は優先度の高い問題に専念できるようになる。
SSOとMFAだけでなく、IT部門は認証やアクセスに最小権限モデルを設定する必要がある。規模の大きな組織では、チームを2つに分けるのも有効だ。1つのチームが管理、セキュリティ、ポリシーを担当し、もう1つのチームがモバイルアプリケーション管理(MAM)を担当する。その後企業が従業員の職務とEMMシステム内での各自の役割を調整する。
オンプレミスでEMMプラットフォームを運用している企業はまだ多い。その場合、システムを保護するには攻撃を受けたら即座にパッチを適用することが重要となる。パッチの適用を完了していない企業のEMMは、多くの場合脆弱性の影響を受けやすい。
IT部門では最低限の共通要素について検討し、EMMツールの実行元となるOSにパッチを適用することも必要になる。Javaなどのコーディング言語やAdobeの「Adobe Acrobat Reader」を確認することも欠かせない。本稿執筆時点では、これらが脆弱性の大半を占めている。
IT部門では、最新のEMM管理モジュールを使用していることを確認し、定期的に更新プログラムを導入することも必要になる。EMMプラットフォームは、その実行元となる全てのシステム、管理者の役割、ユーザーポリシー、MAMと連携しなければならない。EMMそのものだけでなく、テクノロジーのエコシステムこそがEMMプラットフォームを構成している。
Googleの「Android」は、例えば、最近「Device Administrator」を「Android Enterprise」に置き換えた。Android Enterpriseを使用すると、仕事用プロファイルによって企業データと個人データがデバイス上で別々に保持される。これは、EMMツールへのハッキングに伴うリスクを抑えるのに役立つ可能性がある。Androidでは旧式のEMMツールでAndroidを管理することが許可されていない。そのためIT部門がEMMコンソールを最新状態に保つことで、脆弱性を利用したシステムへのアクセスを阻止できる。
Appleの「iOS」には、EMMツールで簡単に構成できるマネージドアプリが用意されている。
モバイルセキュリティの情勢は絶えず変わり続けている。IT部門は米国国立標準技術研究所(NIST)の「Mobile Threat Catalogue」を確認し、新しいEMMセキュリティの脅威を特定する必要がある。この絶えず変わり続けるMobile Threat Catalogueでは問題を緩和する対策も提供されている。
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