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「Windows Virtual Desktop」の戦略と競合サービスの反応Microsoft純正仮想デスクトップの弱点は?

Microsoftの純正仮想デスクトップ「Windows Virtual Desktop」によって同社は何をしようとしているのか。Azureで仮想デスクトップを提供しているCitrix Systemsの反応は?

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 Microsoftは今、自らを好んでクラウド企業と位置付ける。だがデスクトップWindowsが同社のプラットフォームの中心的な要素であることに変わりはない。ビジネスに欠かせない無数のデスクトップアプリケーションが、組織をWindows PCに縛り付けている。

 そうした状況の中で、Microsoftが魅力的なリモートWindowsデスクトップの提供を遅らせていたのは興味深い。だがそれもここまでだ。

 米フロリダ州オーランドで2018年9月下旬に開かれたイベント「Ignite」で、同社は「Windows Virtual Desktop」を披露した。その狙いは、「Windows 10」仮想デスクトップを「Microsoft Azure」のコスト効率の高いオプションとすることにある。

 これを実現するまでになぜそれほど時間がかかったのか。その一因はライセンス契約と技術にある。それまで仮想環境で複数のユーザーがアクセスできるWindowsのライセンスは「Remote Desktop Services」として「Windows Server」でのみ独占提供していた。

Windows Virtual Desktopの技術仕様

 2017年後半、Microsoftは「Remote Desktop Modern Infrastructure」(RDmi)のプレビュー版をデビューさせた。RDmiの主な違いは以下の通りだ。

  • 「RDmi Gateway」「RDmi Connection Broker」「RDmi Web Access」は、Active Directoryに依存しないサービスになった。ユーザーは「Azure Active Directory」(Azure AD)で認証され、適切な「Remote Desktop Session Host」(RDSH)または専用のWindows VMに接続される
  • 新サービスの「RDmi Diagnostics」はトラブルシューティングを支援する
  • これらのRDmiインフラサービスはマルチテナントで、プロバイダーが複数のAzure ADテナントをサポートできる

 2018年のIgniteで発表したWindows Virtual Desktopは、RDmiを基盤として以下の主要機能が追加されている。

  • MicrosoftはAzureで接続と管理サービスを管理する。顧客は仮想デスクトップまたはRDSHのVMをプロビジョニングするだけで済む
  • 「Windows 10マルチユーザー」は、Windows ServerではなくWindows 10をマルチセッションホストとして利用できる。より最新状態のデスクトップエクスペリエンスが提供されると同時に、Windows ServerとRemote Desktop Services CAL(Client Access Licenses)が不要になる

競合サービスとの関係

 Citrix SystemsやVMwareなど、リモートデスクトップソリューションを既にAzureで提供しているサードパーティーはどうなるのか。2017年1月にCitrixがMicrosoftと組んで、Azureでホスティングする「XenDesktop」(現「Citrix Virtual Desktops」)と「XenApp Essentials」(現「Citrix Virtual Apps Essentials」)を立ち上げてから、それほど長い時間はたっていない。




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