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GEのAI活用、botを部下として扱うために必要なこと:RPAのその先へ(1/2 ページ)
GEはAI戦略の強化を図るため、AIを人間的にしようとしている。開発したAI botは管理職の下に配属した。課題は山積している。
GEはもっと効率的にAI(人工知能)戦略を推し進めるための手段として、bot利用の実験を行っている。botを通じてAI機能を導入することで、実質的に、人材管理に使っていた従来型の慣行をテクノロジーに当てはめることが可能になった。これには新人研修、トレーニング、評価、AI botにまつわる文化の醸成が含まれる。
GEのAI担当ディレクター、ビベク・タクラル氏によると、同社はbotに名前まで付けているという。タクラル氏のチームによっておよそ50種類のbotが制作され、グレッグ、オリーブ、マックスなどと命名されて、今いる人員ではなかなか追い付けない特定の作業を担当している。
「新しい人材を採用する代わりに『botを訓練してもっと仕事をさせられないか』(と問い掛けている)」。タクラル氏は米サンフランシスコで開かれた「RE・WORK Deep Learning Summit」の講演でそう語った。AI育成の側面は、GEの従業員に対する処遇に近い。AI botは人間の管理職の下に配属され、管理職がその実績や行動を見守って、改善すべき分野を指摘する。
GEのAI botは、見方によっては企業が一般的な作業の多くを自動化するために使ってきたロボットプロセス自動化(RPA)技術の拡張でもある。加えてAI botはクラウドアプリケーションや機械学習アルゴリズム、会話型インタフェースにおける進化を活用し、さまざまな作業で人間を補佐したり交代要員になったりしている。
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