データベースサーバの開放ポートから侵入
MySQLの脆弱性を悪用して拡散 ランサムウェア「GandCrab」攻撃の手口
攻撃者がランサムウェア「GandCrab」の標的を探して、WindowsのMySQLサーバをスキャンしていることをセキュリティ研究者が発見した。対策は比較的簡単にできる。
攻撃者が、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)「MySQL」が稼働しているサーバをスキャンし、脆弱(ぜいじゃく)性の悪用を試みていることが、新たな調査で判明した。ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)の「GandCrab」を拡散させるためだ。
これを発見したのはセキュリティベンダーSophosで主席研究員を務めるアンドリュー・ブラント氏だ。ブラント氏は、ハニーポット(おとり)のMySQLサーバに対する攻撃を検出し、GandCrabをインストールしようとする動きを見つけた。攻撃者は侵入先のエンドポイントで中国語のユーザーインタフェースを操り、GandCrabをダウンロードしようとしていた。
データベース連携用のポートが狙われる
MySQLはOracleが開発を主導するオープンソースのRDBMSだ。上述の攻撃がどれほど横行しているのかについてブラント氏はコメントしていない一方で、「この中国語のユーザーインタフェースには、GandCrabが配布元のサーバからダウンロードされた数が示されていた」と指摘する。その数は3000件を超えていたという。
ブラント氏はGandCrabによる攻撃の状況について、ブログの中で次のように解説する。
全ての攻撃を合計すると、攻撃者がGandCrabをこのサーバに置いてから5日間で800回近くダウンロードされていた。そのディレクトリにあった他の(約1週間古い)GandCrabファイルは、2300回以上ダウンロードされていた。
つまりこの攻撃は特に大規模あるいは広範に及ぶ攻撃ではない。だが外部ネットワークからアクセスできるようにするために、データベースサーバの3306番ポートにファイアウォールの抜け穴を開けているMySQLサーバ管理者にとっては、深刻なリスクとなるだろう。
ブラント氏によると、攻撃者は3306番ポート経由で標的をスキャンしていた。GandCrabのファイルに「3306.exe」と名付けていたという。インターネットでアクセスできるMySQLデータベースを見つけると、そのサーバがSQLコマンドを受け付けるかどうか、そしてそのサーバOSがWindowsかどうかを確認した後に、ランサムウェアのインストールを試みていた。
GandCrabの対策
より簡単に拡散させるため、GandCrabは脆弱性攻撃ツール「EternalBlue」の機能を組み込んでいる。一方でGandCrabの被害者がデータ復旧に利用できる暗号解除ツールが公開さていたこともある。
「GandCrabのリスク回避にはアクセス管理で対処すべきだ」とブラント氏は述べ、具体的な対処法として以下を挙げる。
- データベースサーバのrootおよびマシンの管理者アカウント用に、強い固有のパスワードを使っているかどうか確認する
- アプリケーションからデータベースサーバへ直接アクセスする必要がある場合は、VPN(仮想プライベートネットワーク)経由で接続するよう設定する。そうすることで、インターネット経由で誰もがアクセスできるポートを開放しなくてよくなる
企業セキュリティを見直すきっかけ
ブラント氏はブログでは、GandCrabの脅威がどの程度広範に及んでいるのかについては言及していない。ただし、攻撃がもたらす影響の大きさについて考えることを促している。
「これはデスクトップPCやモバイルデバイスに直接影響を及ぼすような攻撃ではない」とブラント氏は語る。だが、攻撃者が企業ネットワークに侵入する足掛かりとして利用できるものは何であれ、1台のエンドポイントのデータが人質に取られて身代金を要求されるよりも悪い事態を招き得る。「今回新たに見つかった攻撃の場合でも、『重要ではないエンドポイント1台のみが、ランサムウェアや仮想通貨採掘マルウェアに感染するだけで済みそうだ』と考えて、安心してはいけない」(同氏)
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