携帯電話業界団体の研究結果「健康リスクが存在する証拠はない」
米国機関とイタリアの研究所が、電磁波による発がんリスクを指摘。これに対し携帯電話の業界団体GSM Associationは、携帯電話放射線は人の健康に影響を及ぼさないと否定した。
第1回(Computer Weekly日本語版 6月19日号掲載)では、携帯電話や電波塔が発生させる電磁放射線による健康リスクの懸念と、5Gによる影響が十分に研究されていないという問題を紹介した。
第2回では、移動体通信事業者や関連企業からなる業界団体GSM Association(GSMA)が行った健康リスクに関する研究結果を紹介する。
科学研究は光を当てられるか
長年にわたる科学的研究により、たとえ現時点で安全と見なされている水準であっても、携帯電話インフラから放出される電磁放射線は細胞とDNAを損傷させる可能性のあることが示されてきた。
世界保健機関(WHO)国際がん研究機関(IARC)は2011年、EMFを「発がん性がある可能性がある」と分類した。言い換えると、EMFには潜在的に、がんを発生させる可能性があることを示す証拠があるということだ。
だがそうした研究のほとんどは、以前の世代の携帯電話を対象としている。それ以降の研究でも過去の結果が裏付けられているものの、5Gが健康にどのような影響を及ぼすかについてはほとんど研究がなされていない。
2018年、米国家毒性プログラムとイタリアのラマツィーニ研究所がそれぞれ独自にEMFによるがん発生の可能性について調べた結果、無線周波数放射線がラットの脳と心臓のがん発症リスクを増大させることが分かった。
2018年12月には、通信業界が一部資金を提供しているIT'IS Foundationが、熱損傷を防ぐためには電磁放射線への暴露に関するICNIRPの安全基準を見直す必要があると勧告した。
ただし研究者の間でさえ、依然として不確かな部分はある。英オープン大学の応用統計学教授で医療科学を専門とするケビン・マコンウェイ氏は、まだ携帯電話と健康の確固たる因果関係が示されたわけではなく、さらなる研究が必要だとして次のように指摘した。
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