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学校の「ERP」導入失敗の報告書から読み解く「なぜ予算は肥大化するのか?」:なぜ学校の「ERP」導入はうまくいかないのか【後編】
複数の要因が重なり、ERP製品導入プロジェクトでさまざまな問題が発生した米フロリダ州のマナティー学区。この事例を反面教師として、原因と対策を学ぶ。
前編「学校の『ERP』導入でコストが激増 元凶は『カスタマイズ』」では、米フロリダ州のマナティー学区がERP(統合業務)製品導入プロジェクトで直面した問題を紹介した。後編では、その原因を詳しく見ていくとともに、同様の問題を引き起こさないようにするための対策を紹介する。
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何が原因だったのか
米フロリダ州の監査役を務めるシェリル・ノーマン氏は2019年4月、マナティー学区のERP製品導入プロジェクトを批判する報告書(図)を公開した。同報告書は、変更指示の履歴と、コストが膨らんでいった状況をリストアップしている。
大きな変更指示の一つがプロジェクトのスケジュールの延長だ(図の「Change Order 5」が該当)。これには約425万ドルの追加コストが発生した。この延長の原因となったのが、意思決定の遅れ、サードパーティーベンダーの作業の遅れ、プロジェクトの複雑さだ。約53万ドル分は、システムインテグレーターの新たな出張費や滞在費を賄うコストが占める。
ERP製品導入における意思決定の遅れは、ERPプロジェクトが失敗したり困難になったりする要因としてしばしば挙がる。「プロジェクト失敗の3分の1近くは、決定の遅れによるものだ」という研究論文もある。
人員配置にも問題が
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