Google Cloudの分析機能強化に「Looker」が必要だった理由:GoogleによるLooker買収の狙い【前編】
Googleが26億ドルでビジネスインテリジェンス(BI)の新興ベンダーLooker買収を決めた。「Google Cloud」に組み込まれるLookerは、Amazon Web ServicesやMicrosoftといったライバルに対抗するための強力な武器になる。
Googleは、ビジネスインテリジェンス(BI)のスタートアップベンダーLooker Data Sciences(以下、Looker)を26億ドルで買収することに合意した。この全額現金払いの取引が完了すると、Lookerは「Google Cloud Platform」「G Suite」などのGoogleのクラウドサービス群「Google Cloud」に組み込まれる。その結果、Googleのクラウド分析機能が拡張され、クラウド分野をリードするAmazon Web Services(AWS)の同名クラウドサービス群やMicrosoftの「Microsoft Azure」と渡り合う競争力が高まる。
Lookerの買収により、Google Cloudにはデータの取り込み、分析、機械学習に関する新たな機能がもたらされる。これは、2018年11月にGoogleのGoogle Cloud部門のCEOに就任したトーマス・クリアン氏にとって最初の大型買収になる。
データ分析に関するコンサルティングを手掛けるEckerson Groupの創設者で、プリンシパルコンサルタントを務めるウェイン・エッカーソン氏は「2019年6月6日に公表されたLookerの買収により、Googleは『BigQuery』をはじめとする同社の各種データサービスに合わせて調整され、厳しい実地経験を経て成熟したBIツールとチームを手に入れることになる」と語る。
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米カリフォルニア州サンタクルーズを拠点とするLookerは、分析とデータ視覚化のさまざまな機能を備えたBIツールを販売している。2012年創立のスタートアップ(創業間もない企業)である同社は、セルフサービス型のBIツール以外に、マーケティングやWeb分析といった特定の分析を目的としたアプリケーションも販売する。
これまで、LookerはPeriscope Dataの競争相手と位置付けられていた。Periscope Dataは2012年設立の新興BIベンダーだが最近、同じくBIツールを提供するSisenseによって買収された。
独自言語「LookML」が強み
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