特集/連載
真のAI「汎用人工知能」(AGI)とは? フィクションか現実か:“人のようなAI”は実現するか【前編】
さまざまなタスクを処理し、状況判断できる「汎用人工知能」(AGI)の実現を目指し、企業や研究者が開発を進めている。その実現を後押しする技術を、「AlphaGo」で一躍有名になったDeepMindが開発しているという。
現代の人工知能(AI)技術の進歩には目を見張るものがある。だが、SF(サイエンスフィクション)やファンタジー作品が描くAIの世界にはまだ程遠い。これまでに実現しているAIエンジンは、特定のタスクに特化した“狭い範囲”でしか機能しない。AIエンジンを利用したチャットbot、顔認識、自動運転車などは、用途が特定の範囲に限られている。
認識や会話、自律制御のような単一用途ではない、広範な認知タスクを処理でき、継続的な訓練を必要としない汎用(はんよう)的なAIエンジンは実現可能だろうか。研究者は、幅広いタスクを処理できる「汎用人工知能」(AGI)の実現を目指している。その最終目標は「人と同じように反応できる、本当の意味でのAI」、すなわち人と同様の認知能力を備えたAIエンジンの実現だ。
併せて読みたいお薦め記事
AI技術の利用可能性
さまざまなAI技術
- Googleが機械学習の可能性を広げる「GPipe」をオープンソースに その影響は
- 人工知能(AI)で急成長のデータサイエンスツール、商用とオープンソースの違いは?
- AWS、Google、Azureの自然言語処理APIを比較 長所短所は?
AGIを実現するためには、簡単なタスク、あるいは特定のタスクだけでなく、幅広い範囲のタスクを処理でき、複雑な状況に適応できるAIエンジンを実現しなければならない。「AIエンジンが人と同じように素早く考え、即座に反応して問題を解決し、人ができるほぼ全てのタスクを処理できるようにする」という壮大な構想を具現化することになる。
そもそもAGIは実現可能なのか
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.