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AWS障害やデータ漏えい事件があっても、米国防総省がクラウドを信頼する訳米海軍のERP移行事例【後編】

米国海軍のERPシステムを政府専用サービス「AWS GovCloud」に移行したプロジェクトは、簡単な道のりではなかった。成功のヒントは緻密なプロジェクトマネジメントにあった。

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 米海軍は、複数のERP(統合業務)システムをAmazon Web Services(AWS)の「AWS GovCloud」に移行した。AWS GovCloudは米国政府省庁や契約企業向けのパブリッククラウドサービスで、米国の法制度要件を満たすよう設計されている。簡単ではない移行プロジェクトを成功に導いた要因は何だったのだろうか。前編「米海軍が政府向けAWS『AWS GovCloud』に『SAP ERP』を移行した理由」に続き、同事例について解説する。

プロジェクトを軌道に乗せる管理

 プロジェクトに対する厳しい管理が、短縮された期間内にプロジェクトを完了させる鍵だった。

 米国政府機関向けにSAPシステムを販売するSAP National Security Servicesは、変更可能な要素を含む非常に詳細な計画を用意し、その計画に盛り込まれた要素を全て追跡した。何かに遅れが出始めたら、早めにそれを特定して対策を立てた。同社サービス「SAP NS2」のプロジェクトプリンシパルコンサルタントを務めるジョー・ジオフリ氏は「これほど細かい計画を用意して遅れが出た場合、適切なレベルの管理がない限り、十分なスピードで移行を実行することはできない」と説明する。

 複数あるERPシステムのデータベース管理システムを、インメモリデータ処理システムの「SAP HANA」に統一、集約することがこの取り組みの主な目標だった。それによって、次世代のテクノロジーを米海軍で活用するための準備が整ったことになる。ジオフリ氏によると次の一歩は「SAP S/4HANA」への移行を計画し、移行の中でプロセスを改善することだ。

 AWS GovCloudのようなパブリッククラウドを使って政府機関の大規模ワークロード(アプリケーション)を処理できることは意外な事実ではない。だが米海軍を傘下に持つ米国防総省が、クラウドへの移行に自信を持っていることは「注目に値する」と語るのは、コンサルティング会社Enterprise Applications Consultingでプリンシパルを務めるジョシュア・グリーンバウム氏だ。

「クラウド移行に自信」の根拠

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