SAP S/4HANAへの移行は「まだ計画段階」が6割、なぜユーザーは様子見を続ける?:ユーザー会調査から見えるもの
SAPユーザーの大半は、最終的には「S/4HANA」への移行を計画している。だが現時点ではさまざまな理由で計画段階にとどまっているユーザーがほとんどだということが、ユーザー会の調査によって明らかになった。
SAPのERP(統合業務)パッケージユーザーの大半は、「SAP S/4HANA」への移行を計画している。ただし移行には時間をかけている。SAP製品のユーザー会であるAmericas' SAP Users' Group(ASUG)が最近実施した調査では、「SAP ERP Central Component」(ECC)からS/4HANAへの移行を計画しても、移行への具体的手順を実行していないユーザーが56%に上ることが明らかになった。移行を開始しているか、既にS/4HANAを利用しているユーザーは32%、S/4HANAへの移行を全く予定していないユーザーは12%だった。
ASUGのCEO、ジェフ・スコット氏によると、ASUGはSAPの業績の年次報告をするのではなく、S/4HANAへの移行の傾向がどこに向かっているかを見てみたいと考えていたという。
「ユーザーの好き嫌いを明らかにすることに興味はない」とスコット氏は語る。ASUGは、広範なSAPエコシステムに目を向けている。つまりそれは、ユーザーが多少なりとも投資しているエコシステムであり、ユーザーが直接労働や契約労働を見据えているエコシステムだ。「エコシステム全体がどのように推移するか、どのようなトレンドがあるか、何がトレンドを形成するかなどについての広範な指標が重要になる」(スコット氏)
ASUGは2018年12月、年次調査「State of the Community」(コミュニティーの状況)を実施し、コミュニティーのメンバー443人から回答を集めた。メンバーが答えた自身の社内での立場は、管理職以外(41%)、管理職(38%)、バイスプレジデントまたはシニアバイスプレジデント(5%)、経営幹部(3%)、それ以外(13%)だった。
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