「S/4HANA移行がデジタルトランスフォーメーションだ」と攻めの姿勢を見せる経営層:S/4HANA移行をためらう企業は減った?
ある調査によると、近年では企業の多くが「SAP S/4HANA」移行を早々に実行したいと考えているという。だが、移行に関する課題が過小評価されている可能性もある。
「SAP S/4HANA」の移行に向けた準備に多くのSAPユーザーが取り組んでいるが、移行プロセスの複雑さを大幅に過小評価している可能性がある。そのため、移行プロジェクトのスケジュール設定が達成不可能になる可能性がある、と会計事務所のPricewaterhouseCoopers(PwC)と提携するソフトウェアベンダーLeanIXによる最新レポートは指摘する。
SAPユーザーはS/4HANA移行をデジタルトランスフォーメーション戦略の中核にしており、その多くが目標に向けて進展していることを、このレポートは総合的に示している。レポートによれば、回答者の20%がすでにS/4HANAへの移行を完了しており、半数近く(49%)が2020年までに移行完了予定となっている。これらのタイムラインは、SAPが指定したSAP ERP中核コンポーネントの使用期限である2025年よりも前になっている。SAPシステムの移行作業をビジネスの一部とするLeanIXの共同CEOで共同設立者のアンドレ・クリスト氏によると「S/4HANAへの移行スケジュールの楽観的過ぎる見通しは、調査結果では予期していなかったものだった」という。同社はSaaS(Software as a Service)のエンタープライズアーキテクチャツール(企業のビジネスプロセスをアプリケーションにマッピングし、これを基盤となるアーキテクチャ環境に関連付けるツール)を提供している。同氏によると、このツールを使用すると、アプリケーションの担当者が誰であるか、他のアプリケーションとの依存関係があるかどうかを知ることができるという。
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