「AR」(拡張現実)で稼ぐ5つのヒント:「AR」の理想と現実【後編】
AR(拡張現実)技術のビジネス利用が広がりつつある。ただしAR技術は未成熟な部分もあるため、ビジネス利用を検討する企業は注意が必要だ。何に気を付けるべきなのか。
「AR」(拡張現実)技術について、ベンダーが語る潜在的能力と現実の能力の間にあるギャップを埋めるにはどうすればよいだろうか。以下ではそれを克服し、企業でAR技術を活用するための5つのヒントを紹介する。
- 適切な導入分野を見つけて試す
- 賛同を得る(会員限定)
- 生産性向上の測定と実証をする(会員限定)
- 人的要因を考慮する(会員限定)
- 次の段階に備える(会員限定)
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ヒント1.適切な導入分野を見つけて試す
「クールだから」はAR用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を導入する理由にはならない。有効な導入分野は、現行のワークフローとトレーニング手順からふとした拍子に見つかることもしばしばだ。新しいタスクを作り出すより、従来のビジネスプロセスを補完したり置き換えたりすることが最善のアプローチとなるだろう。調査会社Gartnerのアナリストであるトゥオン・グエン氏は「ハンズフリーデバイスは両手を使う作業に最も役立つ」と話す。
AR技術に詳しいハーバードビジネススクール(Harvard Business School)教授のマイケル・ポーター氏は、「現在のユーザーインタフェースは物理世界とデジタル世界を切り離しており、認知的な負担を生んでいる」と指摘する。調査会社IDCのリサーチマネージャーであるジテシュ・ウブラニ氏は、「多くの企業はすでにスマートフォンやタブレットを使っている。それが効果的ならAR用HMDもうまく取り入れられるだろう」と述べる。
適切なAR技術の応用先が見つかったら、概念実証(PoC)プロジェクトを開始しよう。「ユーザーのフィードバックを集める必要がある。テストは重要だ」とグエン氏は語る。環境修復に関わる事業を展開し、作業現場にAR用HMDを取り入れているEncotech Engineering Consultantsでバイスプレジデントを務めるジェイソン・ラリ氏は、社内の実験用環境でテストを実施することを推奨し、「実験場で試せば安全だ。失敗しても安全は確保される」と話す。
ヒント2.賛同を得る
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